每日阅读(4.13):相変らずの『東京生活』
40年も前の夏のことである。太宰治の作を次々に読んで、その世界にひたりかけていた。しかしある日、地方での疎開生活から終戦後の東京に戻った「私」が、「何の事も無い相変らずの『東京生活』」と述べるくだりでつまずいた。
这是发生在40多年前夏天的事了。在阅读了不少大宰治的作品后,我曾完全沉浸在那个世界中。可在某一天,看到有一行文字写道,从迁移到别的地方生活开始,到战争结束后回到东京的“我”,居然“仍若无其事地过着和往常一样的‘东京生活’”,看到这时,我不禁有些挫败感。
疎開:災害や空襲に備えて、都会の人や物資・工場などを他の地に移すこと。
おびただしい人が死に、家を失った戦禍の街の営みを「何の事も無い相変らずの」とする語り口に違和感を覚えた。若い時分の勝手な読み方ではあったが、太宰への旅は、この「メリイクリスマス」の冒頭で、いったんは途切れた。
不计其数的人在战争中死去了,失去了家庭。而他却说战乱后的城市“若无其事地和往常一样”,总感觉有点不合适。或许是年轻时代的读书方式的随意吧,不过因为正这个“Merry Christmas”的出现,我放弃了追寻太宰的旅途。
この短編は、占領下の昭和22年、1947年の「中央公論」1月号に掲載された。昨日、図書館で手に取ってみた。茶色に色変わりし、古い本に特有のひなたくさい香りをまとっている。太宰が生きていた時に印刷された一冊かと思うと、「相変らず」のくだりも、その先の「この都会」を「馬鹿は死ななきや、なほらない」と語る段も、実際には聞いたことのない肉声を聞く思いがした。
这一短编登载于日本被占领下的昭和22年,1947年的《中央公论》一月号上。昨天,我在图书馆里试着翻了下这本书。页面已经发黄,页面间散发着古书特有的阳光般的香味。我正在怀疑这一册书是否在太宰生前印刷的,“和往常一样”的段落也罢,这之前把“这个城市”描绘成“无价值的东西是不得不灭亡”的段落也罢,都让我想起了曾经听到过的,事实上却以为从未听过的呼声。
同じ昭和22年1月の「群像」に、太宰は「トカトントン」を発表している。兵舎の前で敗戦の玉音放送を聞き、「死のう」と思った男が、背後から聞こえてくる音に気付く。金づちでクギを打つトカトントンという音が、それまでの悲壮も厳粛も一瞬のうちに消し去った。
金づち:槌の頭または全部を鉄で作ったもの。釘などを打ち込むのに使う。俗に、とんかちとも。
同在昭和22年1月的《群像》,太宰发表了《トカトントン》一文。站在兵营前,听到战败的天皇广播,正想去“死”的男人注意到了身后的越来越近的声音。用铁锤敲击钉子的“咚咚”声,让之前的悲壮及严肃一瞬间消失在九霄云外。
確かに敗戦で日本は変わった。しかし、人間たちでつながっているこの世の営みは「相変らず」でもある。いつの頃からか、そう読むようになった。
诚然,因为战败,日本改变了许多。但是因为人而联系在一起的这个世界,也确然“和往常一样”运行着。不知道从何时开始,我开始这样理解了。
60年前の8月28日、連合軍の先遣隊が神奈川県の厚木飛行場に到着した。焦土の日本での占領の時代が始まった。
60年前的8月28日,联合军的先遣队到达了神奈川县的厚木机场。在废墟日本的占领时代开始了。
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