每日阅读(3.8):吉村昭
宿の料理人が、水槽から鯛(たい)を取り出して生け作りにする。ほぼ骨と頭だけになった鯛を水槽に戻すと、また泳ぎ始める——。グラフ雑誌に載ったその写真を見て、「白身の肉に透けた魚骨と、自分の体から切りはなされた肋骨(ろっこつ)の記憶とが重なり合った」
旅馆的厨师从水槽里捞出鲷鱼做成生鱼片,然后将差不多只剩骨头和鱼头的鲷鱼放进水槽里,它又开始游动起来——在图片杂志上看到这张照片,“透过白花花的肉看到鱼骨,不由想到自己身体上取出肋骨的经历也同它一样。”
79歳で亡くなった、吉村昭さんの小説の一節だ(「背中の鉄道」『自選作品集』新潮社)。吉村さんは、若い頃に肺結核を患い、終戦直後には肋骨を5本取る大手術を受けた。この作品では、命あるものの切なさ、美しさや、存在の残酷さが冷徹な筆致で描かれていた。
这是79岁时去世的吉村昭所著的小说中的一节(《脊梁上的铁路》《自选作品集》新潮社)。吉村年轻时患有肺结核,战后不久动了大手术,取出了五根肋骨。他的这一作品用冷静透彻的笔调描写了生命的痛苦与美丽,以及存在的残酷。
「戦艦武蔵」「関東大震災」「ふぉん・しいほるとの娘」「天狗(てんぐ)争乱」。綿密なことで知られたその取材ぶりも、人間と歴史への情熱と謙虚さに裏打ちされていた。
《战舰武藏》《关东大震灾》《泷与稻的一生》《天狗之争乱》。其以缜密而闻名的取材手法也源自他对人类和历史的热情和谦虚谨慎的态度。
「刑務所通い」という一文がある。文芸雑誌の編集をしていた学生時代、刑務所で印刷すると世間よりかなり割安だと知って、依頼するようになる。2年近く、ゲラの校正に通ううちに、「私たちと、鉄格子の中にいる見えざる印刷部の囚人との間には奇妙な親密感めいたものが生まれてきていた」
吉村曾写有《常往监狱》一文。“我”在学生时代编辑过文艺杂志,当时得知在监狱印刷比其它地方要便宜不少,就常去那儿印刷了。在频频去往监狱校正原稿的近两年时间内,“我们和印刷部那些身处于牢狱,未曾谋面的囚犯间产生了一点奇妙的亲密感。
ある日、ゲラの最後に、書いた覚えのない一節を見た。「そこには、『雨、雨に濡れて歩きたい』という活字が、ひっそりと並んでいた」。あきらかに付け加えられたものだった。その活字を消すことは苦痛だったが「私は、複雑な気分で、赤い線を一本遠慮しながら引いた」(『誤植読本』東京書籍)。
某一天,“我”在原稿的最后看到了一段没什么印象的文字。“那儿静静地排列着几个铅字,‘雨,我想淋着雨行走’。”很明显是添加上去的文字。尽管不忍将这行字抹掉,但“我心绪纷繁,还是迟疑着划了一根红线。”
現実は、時に小説以上に詩的なものを放つことがある。それをつかむ目が、さえていた。
现实有时会比小说更富有诗意。吉村用敏锐的眼光抓住了这一点。
PS:关于「ふぉん・しいほるとの娘」
幕末に長崎にやってきた医師シーボルトは、遊女のお滝との間に女児・お稲をもうける。シーボルドはスパイの嫌疑でオランダへ強制送還され、残されたお滝は商人と再婚。成長したお稲は、シーボルドの弟子二宮敬作に産科医になることを勧められるが、敬作から紹介された産科医石井宗謙におかされ、私生児を産んでしまう。
鎖国で守られていた日本が、黒船来航、明治維新と大きく変わっていく中で、商人の夫を支えたお滝や、普通の女の生き方を捨て、学問へ身を投じたお稲の生き方に、明治の女といわれる昔の芯の強い女の生き方をみた。
美女としてもてはやされたお滝も、ふつうのおばあさんになり、産科医として名をはせたお稲も、時代遅れの医師になる。読み終えてみると、時の移り変わりにともなう寂しさを感じる。ただほっとさせられるのは、望まなかった私生児だった高子とその家族によって、お稲が独り身としての孤独を感じずに生きられたことだ。一方で、30年ぶりに日本に帰ってきたシーボルドのだらしなさにはがっかりさせられる。
实在不知道译成什么好,根据文章内容意译了一下。
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