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自動詞・他動詞・使役形に関する考察

时间:2008-03-27 00:24:38  来源:本站原创  作者:echo
 
自動詞他動詞使役形に関する考察
吉川 武時
自動詞、他動詞、受身、使役というのは ボイス(Voice 態)に関する用語である。
☆有対動詞・無対動詞
☆使役の構文 ヲ使役文 ニ使役文
自他の対応のある他動詞と自動詞の使役形の使い分け
☆構文上の要請
☆意志性からみた使役文
有対動詞無対動詞
 
ある動詞は「立つ(自動詞)-立てる(他動詞)」のように自動詞と他動詞が対応している。これを有対動詞と言う。その自動詞の方が有対自動詞で、他動詞の方が有対他動詞である。
また「歩く(自動詞)」や「読む(他動詞)」のように対応する他動詞や自動詞を持たない動詞がある。これを無対動詞と言う。「歩く」は無対自動詞で、「読む」は無対他動詞である。これをそれぞれの使役形とともに表にすると、次のようになる。
 
自動詞
自動詞の使役形
他動詞
他動詞の使役形
有対動詞
立つ
立たせる
立てる
立てさせる
無対自動詞
歩く
歩かせる
 
 
無対他動詞
 
 
読む
読ませる
使役の構文
使役の構文について確認しておこう。
他動詞の使役文
「学生が本を読む」ということを先生が命じるとすると、
先生が 学生に 本を 読ませる。
となる。「読ませる」は「読む」の使役形である。「学生」は「学生」となる。「本を」はそのままである。
自動詞の使役文
「子どもがおつかいに行く」ということを親が命じるとすると、
親が 子どもに おつかいに 行かせる。
あるいは
親が 子どもを おつかいに 行かせる。
となる。「行かせる」は「行く」の使役形である。「子ども」は「子ども」あるいは「子ども」となる。「子ども 行かせる」をニ使役文、「子ども 行かせる」をヲ使役文と言う。自動詞の使役文にはニ使役文とヲ使役文があるわけである。ただし、動詞によってはヲ使役文しか用いられない場合もある。(『日本語文法入門』p.192)
自他の対応のある他動詞と自動詞の使役形の使い分け
「立てる」と「立たせる」をどう使い分けるのか、「並べる」と「並ばせる」をどう使い分けるのか。つまり、「有対他動詞」と「有対自動詞の使役形」の使い分けはどうなっているか、という問題である。この問題は非常に難しい。「立てる」「立たせる」と「並べる」「並ばせる」を例に考察してみたが、明白な結論は出なかった。
問題となる形の位置を体系の中で確認しておこう。見やすくするため、左側に自動詞、他動詞をまとめて置き、右側にそれぞれの使役形をまとめて置く。
 
自動詞
他動詞
自動詞の使役形
他動詞の使役形
有対動詞
立つ
立てる
立たせる
立てさせる
並ぶ
並べる
並ばせる
並べさせる
これらの形を使った次のような文が考えられる。
他動詞文
ヲ使役文
ニ使役文
子どもを立てる
子どもを立たせる
子どもに立たせる
子どもを並べる
子どもを並ばせる
子どもに並ばせる
次に、これらの文の適否を検討してみよう。
「子どもを立てる」はおかしい。「子どもを立たせる」ならいい。「子どもに立たせる」は子どもに何かを立たせるということか。ちょっとおかしい。
「子どもを並べる」はいい。「子どもを並ばせる」もいい。「子どもに並ばせる」は子どもに何かを並ばせると言っているようだ。次に検討する。
それで、こうなる。
他動詞文
ヲ使役文
ニ使役文
子どもを立てる
子どもを立たせる
?子どもに……立たせる
子どもを並べる
子どもを並ばせる
子どもに……並ばせる
「子どもに……並ばせる」とあると、子どもに何かを並ばせるという文、例えば「子どもに机を並ばせる」という文の一部のように見えてくる。
子どもに机を並ばせる
子どもに机を並べさせる
子どもが机を並べる
 
 
 

 

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