同じ駅から乗車する。同じ時刻の、同じ電車、同じ車両。

必ず、決まった位置に立ち、読書をしているサラリーマン。

歳は...うーん、そうだなあ...

30代半ば、後半。

いつも、手ぶらで、単行本だけ持っている。

電車を降りると、のったりのったり人ごみを抜けて改札を出ていく。

彼のまわりだけ、時間の流れが違うみたいな。

そんな不思議な雰囲気と、佇まい。

ちらっと見つめて、こそっとながめて、

そんな朝の、たったの15分間。

乗り継ぎで、改札を入り、

別々のホームへ向かう。

後ろ姿を目で追いながら

「いってらっしゃい。今日も一日頑張って」

と、心の中で、こっそり思ってみたりする。

きっとこのまま、この先もずっと

声をかけることも、かけられることもないまま

会話をかわすこともないまま、

互いの人生が交差することもないまま。

そういうもん。

在同一个车站上车。同一时间、同一辆电车、同一节车厢。

站在固定的位置读书的公司职员。

年龄？

大概是35岁到40岁之间吧。

手中总是拿着单行本。

下了电车慢吞吞地挤过人群通过检票口远去。

只要在他的身边，就好像时间的流逝都不一样了。

那种不可思议的氛围和感觉。

偶然地注视，悄悄地凝视，

早晨那样短暂的15分钟。

换乘其他的车次，进了检票口，

走向其他的站台。

目光追随着那个背影，

心中默默念着，

“慢走，今天也要努力啊。”

想必现在或是今后也都一样，

不会主动去和对方搭话，对方也不会和我打招呼。

没有交谈，

相互的人生也没有交集。

就这样，仅此而已！