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日本优秀文学作品欣赏 第26期 捕鸟人

时间:2010-06-29 20:42:06  来源:本站原创  作者:huangwen


「ここへかけてもようございますか。」
 がさがさした、けれども親切そうな、大人の声が、二人のうしろで聞えました。
 それは、茶いろの少しぼろぼろの外套(がいとう)を着て、白い巾(きれ)でつつんだ荷物を、二つに分けて肩に掛(か)けた、赤髯(あかひげ)のせなかのかがんだ人でした。
「ええ、いいんです。」ジョバンニは、_______1_________。その人は、ひげの中でかすかに微笑(わら)いながら荷物をゆっくり網棚(あみだな)にのせました。ジョバンニは、なにか大へんさびしいようなかなしいような気がして、だまって正面の時計を見ていましたら、ずうっと前の方で、硝子(ガラス)の笛(ふえ)のようなものが鳴りました。汽車はもう、しずかにうごいていたのです。カムパネルラは、車室の天井(てんじょう)を、あちこち見ていました。その一つのあかりに黒い甲虫(かぶとむし)がとまってその影が大きく天井にうつっていたのです。赤ひげの人は、なにかなつかしそうにわらいながら、ジョバンニやカムパネルラのようすを見ていました。汽車はもうだんだん早くなって、すすきと川と、かわるがわる窓の外から光りました。
 赤ひげの人が、少しおずおずしながら、二人に訊(き)きました。
「あなた方は、どちらへいらっしゃるんですか。」
「どこまでも行くんです。」ジョバンニは、少しきまり悪そうに答えました。
「それはいいね。この汽車は、じっさい、どこまででも行きますぜ。」
「あなたはどこへ行くんです。」カムパネルラが、いきなり、喧嘩(けんか)のようにたずねましたので、ジョバンニは、思わずわらいました。すると、向うの席に居た、尖った帽子をかぶり、大きな鍵(かぎ)を腰(こし)に下げた人も、ちらっとこっちを見てわらいましたので、カムパネルラも、つい顔を赤くして笑いだしてしまいました。ところがその人は別に怒(おこ)ったでもなく、頬(ほほ)をぴくぴくしながら返事しました。
「わっしはすぐそこで降ります。わっしは、鳥をつかまえる商売でね。」
「何鳥ですか。」
「_________2_________。」
「鶴はたくさんいますか。」
「居ますとも、さっきから鳴いてまさあ。聞かなかったのですか。」
「いいえ。」
「いまでも聞えるじゃありませんか。そら、耳をすまして聴(き)いてごらんなさい。」
 二人は眼(め)を挙げ、耳をすましました。ごとごと鳴る汽車のひびきと、すすきの風との間から、ころんころんと水の湧(わ)くような音が聞えて来るのでした。
「鶴、どうしてとるんですか。」
「鶴ですか、それとも鷺(さぎ)ですか。」
「鷺です。」ジョバンニは、どっちでもいいと思いながら答えました。
「そいつはな、雑作(ぞうさ)ない。さぎというものは、みんな天の川の砂が凝(こご)って(读错)、ぼおっとできるもんですからね、そして始終川へ帰りますからね、川原で待っていて、鷺がみんな、脚(あし)をこういう風にして下りてくるとこを、そいつが地べたへつくかつかないうちに、ぴたっと押(おさ)えちまうんです。するともう鷺は、かたまって安心して死んじまいます。あとはもう、わかり切ってまさあ。押し葉にするだけです。」
「鷺を押し葉にするんですか。標本ですか。」
「標本じゃありません。みんなたべるじゃありませんか。」
「おかしいねえ。」カムパネルラが______3_______。
「おかしいも不審(ふしん)もありませんや。そら。」その男は立って、網棚から包みをおろして、______4_________。
「さあ、ごらんなさい。いまとって来たばかりです。」
「ほんとうに鷺だねえ。」二人は思わず叫(さけ)びました。


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