双语阅读:汉字不可思议的力量
ソウルで開かれたG20の際、日本メディアは菅直人首相の「存在感がなかった」と報じた。この「存在感」というのは、中国人にとって実に厄介な言葉だ。読売新聞の見出しでこの言葉を見つけたとき、すっかり困惑してしまった。
首尔召开的G20期间,日本媒体报道称菅直人首相“没有存在感”。这里所说的“存在感”,在中国人看来其实是个很费解的说法。当我在读卖新闻的标题中看到这个词时,就完完全全地被搞糊涂了。
中国語の「存在感」には、「存在の知覚(the sense of existence)」という意味がある。何とも哲学的な言葉だ。「会議で菅首相の存在感がなかった」というのは、中国語では「会議が開かれているときに、菅首相の精神は会場になかった」という意味になる。そんなことができるのはプラトンか荘子、あるいは老子かブッダかダライ?ラマぐらいだ。
中文里的“存在感”,意为“存在的知觉(the sense of existence)”。是个颇有些哲学意味的词。“菅首相在会议中没有存在感”这句话,在中文里的意思是“会议召开期间,菅首相的精神不在会场”。能做到这一点的恐怕不是柏拉图或庄子,就是老子、佛祖、达赖喇嘛这类人。
辞書を調べれば、日本語の「存在感」には知名度や露出度のニュアンスがあることが分かる。ちなみに中国人ツイッターユーザーの中で一番「存在感のある」日本人は蒼井そら女士である。だからといって、彼女が生命の根源を理解したわけではない。
查过字典后,我才知道日语中的“存在感”指的是具有一定知名度、曝光度的意思。顺便插一句,在Twitter的中国用户中,最“具有存在感”的日本人是苍井空女士。这可不代表她就了解生命的本质啊。
面白いことに、私が読んだ『パブリック ディプロマシー』という日本語の本の中国語版では、「存在感」がまったく翻訳されないまま中国語として使われていた。これは誤訳なのか? そうだとも言えるし、そうでないとも言える。
有趣的是,在我读过的一本日文书《Public Diplomacy》的中文版中,“存在感”一词并未经过翻译,而被直接用在了译文里。这是否算是错译呢?可以说它是,也可以说它不是。
作家の魯迅は一貫して「直訳」を勧めていたし、中国は近代化の過程で「日本製漢字」を積極的に中国語に取り入れてきた。ここ数年交流が加速している中国と台湾では、双方がそれぞれの「中国語」をためらうことなく取り入れ、結果的にそれぞれの言葉は豊かになっている。
作家鲁迅一贯提倡“直译”,而中国在近代化过程中,也曾将“日本制汉字”积极地引进至中文中。最近数年里正在加速交流的中国与台湾两方,都分别毫不犹豫地引进了对岸的“中文”,并最终丰富了自身的语言。
漢字は時に双方の交流を邪魔することもある。欧米人は日本人の名前や地名の発音だけを覚えればいいが、中国人は必ず中国語式発音(つまり漢字)と日本語式発音を覚える必要があるからだ。
有时候,汉字也会妨碍双方的交流。欧美人只需要记住日本人名字、地名等的发音即可,而中国人则必须同时记住中文(亦即汉字)与日语两种发音。
『ロンリープラネット』は世界的に有名な英語の旅行ガイドだが、その日本編の中国語版は英語で書かれた地名が漢字に変換されていないため、中国人にとってはまったく役に立たない。ジャッキー?チェンの映画『新宿事件』を見た中国人にとって歌舞伎町は非常になじみのある地名だが、「kabukicho」という文字を見て、それが中国語で言う「グーウージーディン」だとピンとくる中国人など、ほとんどいないのだ。
《Lonely Planet》是世界上有名的英语旅行指南,其中日本篇的中文版由于未将书中用英文记载的地名转换成中文,对中国人就完全没有用处。对于看过成龙的电影《新宿事件》的中国人来说,歌舞伎町是个耳熟能详的地名,但很难有中国人能在看到“kabukicho”的字样时,立刻将其与中文中的“ge-wu-ji-ting”等同起来。
选自Newsweek网络版“东京眼”专栏
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