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魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第五章5.8

时间:2011-09-26 13:31:06  来源:可可日语  作者:ookami

 首のない奇妙な絵があった。リディアは身を屈(かが)め、その下の壁を調べた。
「この絵がデュラハンか?」
「そうよ、首なしの妖精なの。足元ってことは、あ、ほら、壁がはずれるわ」
 開いたそこへ、リディアはもぐり込む。階段が下へと続いている。
 それを下りきると、急に外の風景が目の前に広がった。
 断崖(だんがい)に張り出した、テラスのような場所だった。
 もともと城は、海に面した崖の上に建っている。その、最も海側に突き出た部分らしい。
 簡素な手すりの向こう側は、目もくらむような高さの絶壁(ぜっぺき)と海だ。強い風が容赦(ようしゃ)なく吹きつける。
「道は行き止まりのようだけど?」
 エドガーの言うように、この先進めそうな場所がない。かといって、通ってきた階段にも分かれ道はなかった。
 次の言葉は、〝レプラホーンの宝物〟だ。
「レプラホーンは靴を縫(ぬ)う妖精。地下に宝物を隠してるというわ」
「地下か。まさかここから飛びおりろってわけじゃないだろうね」
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 そんなことをしたら、いくらなんでも死ぬだろう。真下では、ごつごつとした岩場を荒い波がたたきつけるようにしてうねっているのだ。
 詩の意味についてリディアは考え込むが、ここへ来て急に行き詰まってしまったことは認めないわけにいかなかった。
「ちょっと待って、少し考えさせて」
「ここで敵に追いつめられたら、逃げ場がありません」
 アーミンが不安げに背後を見やった。
「少しだけ待とう」
 そのままみんな、黙り込んだ。リディアは一生懸命に考える。レプラホーンにまつわる逸話(いつわ)を思い出そうとする。
 しばらくして、アーミンが再び口を開いた。
「エドガーさま、宝剣を得るのは、やはりわたしたちには無理なんです。……わたしは、一生プリンスの目に怯(おび)え逃げ続けるとしてもかまいません。こうすることがわたしやレイヴンのためなら、もう、やめましょう」
「アーミン、バカなことを言うな。おまえがいちばん、プリンスの恐ろしさを知っている。奴の呪縛(じゅぼく)を、必ず僕が断ち切ってやると約束しただろう」
 目を伏せたアーミンは、じっと考え込んでいたが、やがて顔をあげた。
「エドガーさま、それもきっと不可能です」
 そしてリディアの方を見る。
「プリンスは、わたしの望みも弱みも知っています。わたしが、エドガーさまと逃亡を続けることに幸せを感じていると……。同じ目的を持ち、支え合いながら、他の誰も寄せつけずかかわらない、閉鎖的(へいさてき)な仲間意識。その輪の中でだけわたしが、エドガーさまを独占できる幸せにひたっていられるのだと知っています。もしもプリンスから自由になれるとしたら、あなたとわたしの関係も、ありふれた主従になってしまう。それをわたしが恐れていると、見抜かれているのです」
「……アーミン、何を」

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