法国童话故事:穿着长靴的猫
そして、草を刈(か)っている人たちをこう言って脅しました。
「王様が来たら、ここはカラバ様の土地(とち)だと言え。そう言わないと八(や)つざきにするぞ。」
驚いた人たちは王様が尋(たず)ねると、猫の言うとおりに答えました。
「すごく広(ひろ)い土地だねえ。」王様は感心(かんしん)しました。
猫はまた先を急(いそ)ぎました。
今度は麦(むぎ)を取り入れている人たちがいました。
そこで、さっきと同じように「この麦はカラバ様のものだと言え!」と脅しました。王様が来ると、みな、猫に言われたように答えました。
猫に殺(ころ)されてはたまりませんからね。「すごいものだ。」
王様は溜息(ためいき)をつきました。
やがて猫は人食(く)い鬼(おに)の城に着きました。大きな城です。
猫は鬼に言いました。
「あなたはライオンに化(ば)けられるって、本当(ほんとう)ですか?
「もちろんさ。」
鬼はそう言うと、いきなり大きなライオンに化けました。
「ガオーッ!」
ライオンの吼(ほ)え声(ごえ)に、猫は震(ふる)え上(あ)がってしまいました。
「でも、鼠は無理(むり)でしょう?」
猫が言うと、鬼はさっとねずみに化けました。
そこで猫は、鬼に飛びついて、パクリと食べてしまいました。
王様の馬車が近(ちか)づくと、猫は城の外に出ました。
「カラバ公爵様のお城に、ようこそ!」
「すばらしい城ではないか。」
王様は喜んで城の中に入りました。
広間(ひろま)のテーブルには、たくさんのご馳走(ちそう)が並(なら)んでいました。
これは人食(ひとく)い鬼が自分のお客さんのために用意(ようい)して置(お)いたものでした。
ご馳走をお腹(なか)いっぱい食べた後、王様が言いました。
「カラバ公爵、王女(おうじょ)と結婚してくれないか。王女もあなたを好きなようだ。
末っ子は喜んで、この申(もう)し出(で)を受けました。
二人は、その日のうちに結婚式(けっこんしき)をあげました。
そして、猫は貴族(きぞく)に取(と)り立(た)てられたということです。
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