双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(184)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
孤独は、その人の感傷を気持ち良く酔わせ、漠然とした不安は、夢を語るにおいて一番必要な肴になる。
ひとりで孤独に苛まれながら、不安を携(たずさ)え生きている時。実は何にも怖れてはいない時なのであり、心、強く生きている時なのである。
句読点もなくめくれてゆく日々。見飽きてしまった四季の訪れ。それは止めどなく繰り返されてくるのだろうと、うんざりした眼で眺めている。毎日は、ただ穏やかに、永遠にループしてゆくのだと考えている。
まだ、なにも始まってはいない。自分の人生の始まるべきなにか。そのなにかが始まらない苛立ち。働き出さない焦り。
しかし、その苦しみも、なにかが始まってしまった後で振り返ってみれば、それほどロマンチックなこともない。
本当の孤独はありきたりな社会の中にある。本物の不安は平凡(へいぼん)な日常の片隅にある。酒場で口にしても愚痴にしかならない重苦しくて特徹のないもの。
どこに向かって飛び立とうかと、滑走路をぐるぐるぐるぐる回り続けている飛行機よりも、着陸する場所がわからずに空中を彷徨う飛行機の方が数段心許ない。
この世界と自分。その曖昧な間柄に流れる時間は果てしなくなだらかに続くが、誰にでもある瞬間から、時の使者(ししゃ)の訪問をうける。
道化師の化粧(けしょう)をした黒装束の男が無表情に現れて、どこかにあるスイッチを押す。その瞬間から、時間は足音を立てながらマラソンランナーのように駆け抜けてゆく。
それまで、末だ見ぬ未来に想いを傾(かたむ)けて緩(ゆる)やかに過ぎていった時間は、逆回転を始める。今から、どこかにではなく。終わりから今に向かって時を刻み、迫り来る。
自分の死、誰かの死。そこから逆算する人生のカウントダウンになる。今までのように現実を回避することも逃避することもできない。その時は、必ず誰にでも訪れる。誰かから生まれ、誰かしらと関わってゆく以上。自分の腕時計だけでは運命が許してはくれない時が。
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