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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(211)

时间:2012-08-17 10:59:15  来源:可可日语  作者:ookami

东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

三合目あたりの道路脇。土の見える場所に車のヘッドライトを当て、そぼ降る雨の中、スコップで穴を掘って埋葬した。
こんな夜中に泣きながらスコップで穴を掘っている奴を見掛けたら、間違いなく、人を埋めていると思うだろう。数台通過していった車のドライバーはみんなギョッとした顔でこっちを見ていた。
ぶどうが、死んだ。
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オカンが元気になったことは、これほどうれしいことはない。なによりものそんでいたことだ。でも、その気持ちに矛盾して、これからのお互い長く続いてゆくであろう共同生活を考えると、どこかでもそれを重たく感じる気持ちが少しはあったことは否(いな)めない。
自分の自由が色褪せて見えてきた。そもそも自由がなんのかさえわかっていないのに、色んなことを想像するたび、見えない枷をはめられたような気分が襲う。
抽象的で具体的なプレッシャーがどんよりとのしかかる。願いが叶った途端、思ってもないことが思ったこととして浮かび上がる。
保険料、家賃、生活費、光熱費、その他もろもろ。オカンに手を出されて催促(さいそく)されるたびに、どこかがチリチリした。
この玉子はいくらしたとか、今日はキャベツが高くて買いきらんかったとか、飯を食べっている隣でそんな話を聞かされているうち、キリキリと耳の奥が鳴った。
食事の時に、あまりオカンと話さなくなっていった。他の誰かとオカンは話しているのに、ボクはひとりで黙っていることは多くなった。

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