双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(215)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
オカンが東京へ出てきて、もう七年が過ぎようとしていた。
ウサギを隣に寝かせて、オカンはスーパーファミコンの「ぷよぷよ」をやっている。やり方を教えてやったら、このゲームだけは気に入ったようで、毎日のようにひとりで声を上げながら身体も一緒に働かして夢中になっている。
「あんまりやりよったら目を悪くするよ」
食事をしながらそれを見ているボクに注意されながら「あと十分やったらやめる」と小学生のように繰り返していた。
何度も連鎖のやり方を教えてやったのに、まるで理解することができず、ただ、ひとつずつ色を繋げては消してゆくだけしかできない。
「そのやり方で、おもしろいん?」
「おもしろいよ」
「そんなら、いいけど……」
擂り鉢に入ったピーナッツを擂り粉木潰しながらホセは言った。
「僕、この間、お母さんに負けたんですよ」
「オマエ……、すごいな……」
オカンの作る豚しゃぶのタレは、ピーナッツを大量に擂りおろすところから始まる。そのピーナッツも、殻付きのものからでないと味が悪いらしい。このへんの体力を使う下拵えはオカンに呼び出されたホセの担当になっている。
こんなに長く、ひとつの場所に住んだことは今までになかった。生まれた時から、オカンと様々な場所を転々しながらひとり暮らしを始め、東京へやって来て、更に短い周期で住み処を移り続けた。
それは、ボクが生まれてからのオカンも同じことだった。しかし、もうボクとオカンが雑居ビルに一緒にいることも、同じ部屋に長く住み続けているとも、当たり前のことになっていた。
特別ではなくとも前よりはマシなこの風景にボクたちは慣れて、麻痺していた。
「最近なんか、食べ物が引っかかるような気がするんよねぇ」
二十世紀もあと数ヶ月を残した秋口から、オカンはたびたび同じことを言うようになった。
「病院は行きよるんやろ?」
「先生も色々、話を聞いてくれよるし、薬も出してもろうとるんやけど、これ一週間飲んで治らんようやったら、レントゲン撮りましょうて言われるとる」
「そしたら、ちゃんと診てもらい」
これといって痛みがあるようでも、体重が落ちるといったこともなかった。
「食欲はないんよねぇ」
「夏の疲れが出とるんやない?ホルモンの薬も飲みよるんやろ?」
「飲みよるよ」
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