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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(216)

时间:2012-08-21 10:47:15  来源:可可日语  作者:ookami

东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

家のキッチンには一日ずつの小袋がついた投薬カレンダーが掛けてある。その日にオカンが飲まれなければいけない薬はあらかじめ小分けされ、飲み忘れが一目でわかるようにしてあった。
「駅前のマッサージ、予約してやるけん行っておいで」
「そうやね。行ってみよう」
ボクの仕事は外に出掛けることも多くなり、家に帰って来ない日も増えた。小金(こがね)も入って飲みに行く機会も増え、オカンと会う時は事務的な話をするだけでまた、仕事に出る。遊びに出る。朝帰って起きたら、またすぐに出掛ける。そうしたらことが多くなった。
「レントゲンは撮ったんか?」
「来週また来なさいて言われとう。まぁ丁寧に診てくれるけん、心配しなさんな」
木枯らしが吹き、クリーニングされたコートをタンスから取り出す。
「オカンもどっか温泉でも行って来たら?」
「いや、温泉はもう姉ちゃんたちと鹿児島(かごしま)にも行ったし、色んな所に行ったけねぁ。もう、そりゃあ、たいがいの所に連れて行ってもろうたよ。北海道やろ、沖縄(おきなわ)も行った。あんたと一緒にハワイも行ったしねぇ。あそこは知っとるかね?日本一の旅館ちいうてからねぇ、石川の加賀屋よ。そこも連れて行ってもろうたんよ。すごかったねぇ、ほんに華(はな)やかでから。ほんと姉妹で色んな所に行ったばい」
姉妹の話をする時、オカンは幼い妹の顔になる。
「レントゲンは?先生なんて言よった?」
「念のために今度、エコーもしときましょうち言いよったけん、また来週も行かなたい」
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冬の匂いが甲州街道にも漂(ただよ)う。ボクの中古車のエンジンがかかりにくくなった。街はそろそろ二十世紀最後のクリスマスの準備に飾られて、色味を帯びている。
「笹塚の伊勢丹でね、サンタクロースの人形が歌いながら、手やら腰やら振ってから踊りよるオモチャが売りよるたい。それがよう出来とるんよ。おもしろいでから、買い物行くたんびにみよると」
その年のクリスマス。ボクは終日(しゅうじつ)仕事の予定が入り、オカンと過ごすことはできなかった。この七年間で初めてのことだ。
当日はボクの友達が家に来て、オカンとクリスマス・パーティーをするという。ボクはその日、出掛ける前に伊勢丹に行き、踊るサンタクロースの人形をラッピングしてもらってオカンに渡してから家を出た。

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