関西弁講座 17
第17回 【しゅむ】
辞書には
『〔自マ四〕(「しむ(染)」の変化)
1 ある色に染まる。*雑俳・花笠「しゅみました・けんぼうやの手はぬり杓子」
2 刺激がからだにつよく作用する。また、液体や塩分などの刺激で痛みを覚える。*伎・伊賀越乗掛合羽‐一三「朝嵐が身にしゅんで」
3 物事が佳境に入る。興が増す。陽気でにぎやかになる。*浮・好色万金丹‐三「今宵ほどはなしのしゅんだ事もなければ」
4 陰気になる。しんみりと沈みがちになる。*浄・呼子鳥小栗実記‐中「若い形してそんなしゅんだ事云はぬ物ぢゃ」
5 所帯持ちの苦労が身についたさまになる。所帯じみる。*伎・伊賀越乗掛合羽‐七「これは又しゅんだものを連れて来たぞ」
6 地味なさまになる。*浮・小児養育気質‐四「堅い四角なしゅんだ事がきらひで、生徳の好きは花見遊山」
7 けちくさい感じになる。また、みすぼらしくなる。*洒・秘事真告「あれでやき物がいくつとれて、片身が取ざかな、骨つきを吸物と、あてはめた了簡もしゅんだものなり」
国語大辞典(新装版)小学館 1988』
と載っています。
この辞書、説明が大層なので、よけいにわからなくなります。
私は、「よく味がしみている」というのを関西では「よう味がしゅんでる」というということを言いたかっただけなのです。
「よう味がしゅんでる」の「しゅむ」は上の1から7のどれにも相当しないと思うのですが。
【例】
「この高野豆腐、よぉ味がしゅんで、うまいなぁ」
この高野豆腐という言葉も東京では凍豆腐のほうが普通でしょうか。
高野豆腐は武田信玄が兵糧食として考案したと言われています。