関西弁講座 23
第23回 【おうじょう】
辞書には
『仏語。
1 現世を去って他の仏の浄土に生まれること。特に、極楽浄土に往って蓮華の中に生まれ変わること。*霊異記‐上・二三「父母に孝養すれば、浄土に往生す」
2 現世を去って弥勒菩薩の兜率天(とそつてん)や観世音菩薩の補陀落(ふだらく)世界などに生まれること。
3 現世で弥陀の願力によって真実不退の信心を得ること。
4 現世で弥陀の浄土に生まれることが約束される即身成仏のこと。
5 この世を去ること。死ぬこと。*仮・竹斎‐上「誰とは知らず、夜半の比、若き侍わうじゃうとて」
6 すっかりあきらめ、行動をやめること。*滑・膝栗毛‐三「かたりにあったとおもって往生して払ひやせう」
7 どうにもしようがなくなって、困ること。閉口。困却。「悪路で往生した」
8 寝ること。*浄・近頃河原達引‐中「サアおしゅんこちらもここに往生いたそ」
9 無理に押しつけられて、いやいや承知すること。「無理往生」
国語大辞典(新装版)小学館 1988』と載っています。
毎度のことですが、この辞書は簡単なことを余計に難しく説明しているようです。
仏語といっても、もちろんフランス語のことではありません。
この言葉も関西の言葉というわけではないのでしょうが、東京ではめったに使われません。
関西で言う所の往生するとは、行き詰まってどうにもならないという意味ですが、閉口するとか困るというほどの軽い意味でも使われます。
【例】
「パソコンが動かんようになって、往生してんねん」
パソコンが動かなくなって往生しているのは私です。(2003年3月9日今日の戯言)
「お~じょうしまっせ」「無茶言うたらいかんわ~」で有名なのは漫才の「大木こだま・ひびき」です。これぞ大阪の漫才、という感じがするコンビですが、東京のテレビではあまり見ることができません。残念です。