関西弁講座 36
第36回 【ぶと】
辞書には
『ぶと⇒ぶゆ(蚋)』と書いてあって、ぶゆを見ると
『双翅目ブユ科に属する昆虫の総称。体長一~四ミリメートルぐらい。体形はハエに似ているが、きわめて小さい。体は黒色、灰色などで、はねは透明。人畜に群がって吸血し、不快感を与え、フィラリアなどの病原体も媒介する。アシマダラブユ、ウマブユなど種類が多い。ぶよ。ぶと。《季・夏》
国語大辞典(新装版)小学館 1988』
と載っています。
関西・九州では「ぶと」といい、関東では「ぶよ」といいますが、正しくは「ぶゆ」です。
【例】
「ぶとに噛まれた(ぶゆに刺された)」
もちろんブユに歯はありませんが、関西では蚊やブユに刺されることを、噛まれるまたは食われるといいます。
ブユは人の皮膚を傷つけて流れ出る血液をなめるので、蚊とちがってブユの場合は関西の噛まれるという表現のほうが正しいような気がします。
ブユの卵は、はやい流れの中の岩にうみつけられ幼虫は流水の中で成長するので、蚊と違って水の汚い都会には住んでいません。
私の住んでいる相模湖町では、夏場に半袖で畑に行くと間違いなくこいつに刺されてしまいます。
人にもよるのでしょうが、私の場合はブユに刺されると、蚊に刺されたときの百倍ぐらい痒くなり、腫れあがってしまいます。