関西弁講座 29
第29回 【およそ】
辞書には
『Ⅰ 「おおよそ」の変化)
1 おおまかなところ。だいたいのところ。あらまし。ほぼ。ほとんど。「およその話(見当)」「長さおよそ三センチ」*平家‐一一「凡(をよそ)は九国の惣追捕使(そうづゐぶし)にもなされ」
2 (形動)いいかげんであるさま。おろそかであるさま。ぞんざい。*虎明本狂言・二千石「いひや、かやうに大事のうたひを、およそにしてはかなふまじひ」
3 (形動)知能が不完全であること。あほう。痴呆(ちほう)。*伎・一心二河白道‐一「殿様はおよそな程に、そちが娘と思うて守り育て」
Ⅱ〔副〕
1 話を切り出すときのことばとして用いる。総じて。いったい。そもそも。*高野本平家‐三「凡(ヲヨソ)は此おとど文章うるわしうして」
2 打消の語または否定的な内容をもつ語を伴って、強めていうのに用いる。まったく。まずもって。「およそ手のかからない子だ」「およそくだらない話ばかりする」*滑・浮世床‐初「およそ傍で見て居てきの毒なのは瀛(えい)公だぜ」
国語大辞典(新装版)小学館 1988』
と載っています。
関西弁では「そ」を高く発音すると(およそ_ _ ̄ )大まかなとか、だいたいと言う意味になり、「お」を高く発音して(およそ ̄―_ )と言うと、いいかげんとか、万事に不注意なと言う意味になります。
【例】
そんなおよそなことしたらあかんがな。
私はおっちょこちょいなところがあって、子どものころは(今でも)物をよく無くしたりしました。
そういうときには 「およそなことしとーから、物なくすねん」 とよく叱られました。
ここ何十年も「およそ」という言葉を聞いていませんが、関西の言葉として無くなりつつある言葉なのかどうか、関東在住の私にはよくわかりませんが、私の「およそ」な性格は変わっていません。
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