双语阅读:【青春小说连载】春の夢(2)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
一 (2)
アパートの持ち主は、ごみごみした住宅の中にちっぽけな美容院を営んでいる四十過ぎの女で、口には出さなかったが、電球は自分で買ってつけてくれといわんばかりに、客の頭をブラッシングしながら、それきり哲之を見ようともしなかった。電球などは持ち主をつけるべきではないかと思ったが、いかにも吝嗇家らしい女主人の顔つきを見て、哲之は仕方なく駅まで歩いて、六十ワットの電球を二個と、六畳の部屋に灯す蛍光灯を一個買って帰ってきたのである。
陽はほとんど落ちて、室内にはうっすら青味がかった夕暮れの色が広がっていた。彼は衣類を入れたダンボールの箱から、誕生日のプレゼントとして陽子から貰ったテニス帽を探し出し、まずそれをかけておくところをつくろうと思った。哲之は電球をねじ込んでスウィッチをひねった。明かりは灯(とも)らなかった。蛍光灯をセットしてスウィッチを入れたが、それもつかなかった。哲之は部屋を出たところの壁に取り付けてある電気メーターを見た。電力会社の札がぶら下がっていた。哲之はまたアパートの女主人の経営する美容院まで行った。
「電気はつけへんのですけど……」
女主人は、ちらっと哲之を見て、
「いやっ、忘れたわ、電気会社に連絡するのん。メーターのところのスウィッチ、切ったままやねん」
と言った。
「今晩、真っ暗な中で辛抱せんとあかんのですか」
哲之は腹が立ったが、穏やかに言った。
「あとで、ローソク持って行ってあげますさかい、ひと晩辛抱してちょうだい」
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