１　 感情を表わす形容詞には次のようなものがあります。

 イ形容詞：こわい、恐ろしい、悲しい、うれしい、つらい、苦しい、楽しい

 ナ形容詞：いやだ、心配だ

３　感情を抱く人物は話し手（疑問文の場合は聞き手）で、「 N は」で表わされますが、省略されることもあります。第三者が主語になることはありません。

４　第三者が感情形容詞の主語になることができるのは次の場合です。

５　感情形容詞の辞書形から「い」をとって「がる」をつけた「こわがる、悲しがる、うれしがる」などの動詞を用いることで第三者の感情を表わすことができます。

¶これらの動詞には、「このようなものをこわいと思うとはおくびょうだ」などの批判的な意味が加わるので注意が必要です。また、これらの動詞は感情を抱く対象として「 N を」を取り、現在の状態については「 V ています」の形（→「Vています（状態）」 ）を使います。

６　感情を抱く人物も感情を抱く対象も省略して、感情形容詞を単独で用いることもあります。

７　感情を表わす形容詞と同様、対象を「 N が」で表わす形容詞に、温度・痛覚を表わす形容詞があります。これらは、知覚をもたらす対象としてのものを「 N が」に取ることができます。その他、温度や痛みを感じている体の場所を「 N が」に取ることもできます。

 例：お湯が熱い。

     手が冷たい。

     歯が痛い。

 

 

 

(1)わたしは犬がこわいです。 
(2)わたしは授業が楽しいです。 
(3)わたしは試験の結果が心配です。 
(4)わたしはつらいです。 
(5)わたしは仕事がつらいです。 
(6)あなたは地震がこわいですか。 
(7)K先生がこわいです。 
(8)田中くんは犬がこわいそうです。 
(9)田中くんは犬がこわいらしいです。 
(10)田中くんは犬がこわかった。 
(11)田中くんはいつも犬をこわがります。 
(12)田中くんは犬をこわがっています。 
(13)うれしい。