就職サイトなどをみていると、必ず出てくる「35歳転職限界説」。35歳を過ぎると転職が難しくなりますよ、ボーダーラインですよとの意味ですが、はたして35歳を過ぎると転職が困難になるのでしょうか？

「35歳転職」

    変化しつつある35歳転職限界説

企業によって、もちろん欲しい戦力像は異なりますが、おおむね年齢だけを判断基準にすると以下の通りとなります。（※ある300人程度の企業の場合の例）

○20代前半－第二新卒（ポテンシャル採用）

○20代後半－社会人としての基礎知識はマスターしているある程度の仕事は任せられる

○30代前半－部門やプロジェクトの小集団のリーダー候補程度。あるいはスペシャリスト

○30代後半－リーディングマネジメント層－部下をとりまとめて、組織固めができる。

○40代－マネジメント層（上級課長・部長）組織を確立し、経営観念も多少ある

○50代－リーディングマネジメント層（上級部長・本部長）、役員候補

こう考えると、35歳に転職限界のボーダーラインがあるのではなく、35歳以上になると求められる人物像が「仕事ができる」だけではなく、組織を固められる人物像に変化してくるため、ただ「仕事ができるだけでは」35歳が限界ですよ、という意味にとらえられると思われます。

また、業界や職務を変えようとすると、未経験人材となり、やはり35歳というラインが企業側にとって「35歳にもなってわざわざ教えなければならない人材をとりたくない」という意思もあるでしょう。しかしすべての企業がそうではありません。回答者の方も下記のように答えています。

　　　「コールセンターの管理職から、オンラインゲームの運営管理へと転職しました。『管理』という部分については共通するものも多かったのですが、やはり業界が異なりますし、そのことで価値観や考え方が違い戸惑うことも多かったです。ゲームはもともと趣味で好きな程度でしたので、他の深いゲーム好きの方々とも『差』を感じたり、若い方々ばかりの中で、浮いた感もありました（笑）ですが『35歳』というある意味、転職の境目となる年齢で、自分のスキルも活かし、かつ、新しい分野へ飛び込むことには勇気がいりましたが、逆に『35歳』にしかできない最後のチャンスと思いトライしました」（chipatanさん）

この場合、新しい分野（未経験業界）に飛び込む最終ラインが35歳と思って転職したわけですが、この業界に40歳のchipatanさんが飛び込んだら、もっときつかったでしょう。そういう意味では35歳というのが節目であるというのは理解できます。

    35歳以上に求められるものとは

35歳くらいの面接では、ほとんど部下はどれくらいいましたか、どんな指導を？と聞かれます。部下がいない人はここで回答に躊躇（ちゅうちょ）してしまうのですが、後輩でもよいので「部下はおりませんでしたが、後輩はおりましたので、このように指導しました→結果こうなりました」と答えてもよいでしょう。

ここでまとめると、

1．35歳以上の場合、業界経験・職種経験を求められることが多い。
（少なくともどちらか一つは）

2．マネジメント層になる（あるいは候補になる）ため、30代前半でマネジメントの経験（なくても後輩の指導経験）があるかどうかを問われるようになる。

と、いうことになります。年齢で考えるのではなく、その応募先で自分ができることは何があるのか、マネジメントはどれくらい経験しているのかを考えましょう