アメリカ・オバマ大統領と中国・胡錦濤国家主席は１９日、アメリカ・ワシントンのホワイトハウスで会談した。今回の首脳会談の成果を、米中両国はどうとらえているのか。中国・北京支局の長谷川次郎記者が解説する。

　両国は、経済面での結びつきが強まったとして、会談の成果を強調している。会談を終えた胡主席は、アメリカ・シカゴに移動する。シカゴでは、米中の企業による新たなプロジェクトについて発表される予定で、両国の経済面での連携はより一層強まる。アメリカ側は今回、米中関係の修復にこぎつけ、協調ムードをアピールできたことは大きな前進だったと評価している。一方で、中国のメディアは、会談で焦点となった人権問題のやり取りには触れず、「会談は成功だった」と成果のみを強調している。

　北朝鮮問題については、中国が北朝鮮のウラン濃縮計画に初めて懸念を表明したが、これはアメリカに歩調を合わせたものとみられる。また、両首脳は「朝鮮半島の緊張緩和のためには、南北対話が重要である」との認識で一致した。首脳会談後には、韓国と北朝鮮の軍事会談が実現することになった。

　朝鮮半島情勢をめぐる各国の駆け引きが活発化しており、今後の動向が注目される。