东野圭吾推理经典:《白夜行》第五章第1回
《白夜行》将无望却坚守的凄凉爱情和执著而缜密的冷静推理完美结合,被众多“东饭”视作东野圭吾作品中的无冕之王,被称为东野笔下“最绝望的念想、最悲恸的守望”,出版之后引起巨大轰动,使东野圭吾成为天王级作家。2006年,小说被改编成同名电视连续剧,一举囊括第48届日剧学院奖四项大奖。“只希望能手牵手在太阳下散步”,这句象征《白夜行》故事内核的绝望念想,有如一个美丽的幌子,随着无数凌乱、压抑、悲凉的事件片段如纪录片一样一一还原,最后一丝温情也被完全抛弃,万千读者在一曲救赎罪恶的爱情之中悲切动容……
喧噪《けんそう》は改札を出た時から始まっていた。
男子大学生たちが、競うようにチラシを配っている。よろしくお願いします、××大学テニスサークルです――ずっと声を張り上げているせいか、誰もがハスキーボイスになっていた。
川島江利子は、無事、チラシを一枚も受け取ることなく駅の外に出られた。そして、一緒に来た唐沢雪穂と顔を見合わせて笑った。
「すごいね」と江利子はいった。「よその大学からも勧誘に来てるみたい」
「あの人たちにとっては、今日が一年で一番大切な日なのよ」と雪穂は答えた。「でも、こんなところでチラシを配ってるようなのに引っかかっちゃだめよ。あんなのは下っ端なんだから」そして彼女は長い髪をかきあげた。
清華女子大学は豊中市にある。学舎は、古い屋敷などが残る住宅地の中に建てられていた。文学部と家政学部、それから体育学部があるだけなので、ふだんは道を行き来する学生数もさほどではない。しかも当然のことながら女子学生ばかりなので、道端で騒いだりすることもないはずだった。だが今日にかぎっていえば、この近辺に住んでいる人々は、大学がそばにあることを疎ましく思っているに違いないと江利子は思った。清華女子大学と最も交流が多いとされる永明《えいめい》大学などから、自分たちのクラブやサークルに新鮮で魅力的なメンバーを入れようと、男子学生たちが大挙して押しかけてきているからだ。彼等は通学路をものほしそうな目で徘徊《はいかい》し、これはと思う新入生を見つけては、所構わず勧誘を始めていた。
「幽霊部員でいいよ、コンパの時だけ来てくれれば。部費だっていらない」というような台詞が、あちこちで飛び交っていた。
江利子たちも、歩けばたった五分で到達できるはずの正門まで行くのに、二十分以上を要した。もっとも、しつこく勧誘してくる男子学生たちの狙《ねら》いが雪穂のほうにあることは江利子も十分に承知していた。そんなことは中学で同じクラスになった時から慣れっこだった。
勧誘合戦は、正門をくぐると一段落した。江利子と雪穂は、とりあえず体育館に行った。そこで入学式が行われるからだった。
中にはパイプ椅子が並べてあり、列の一番前に学科名を書いた札が立てられていた。二人は英文科の席に並んで腰を下ろした。この学科の新入生は約四十名いるはずだが、その半分も席は埋まっていなかった。入学式は、特に出席が義務づけられていない。多くの新入生たちは、この後に行われるクラブ、サークル紹介に間に合うように出てくるのだろうと江利子は予想した。
入学式は学長や学部長の挨拶だけで構成されていた。眠気に耐えるのが苦痛なほど、つまらない話ばかりだった。江利子は欠伸《あくび》を噛み殺すのに苦労した。
体育館を出ると、キャンパスには机が並べられ、各クラブやサークルの部員たちが大声で新入部員を誘っていた。中には男子学生の姿もある。どうやら合同で活動している永明大学の学生たちらしかった。
「どうする? どこかに入る?」歩きながら江利子は雪穂に尋ねた。
「そうねえ」雪穂はそれぞれのポスターや看板を眺めている。全く関心がないわけでもなさそうだった。
「テニスとかスキーのサークルが多いみたいだけど」江利子はいった。実際二つに一つが、このどちらかだった。正式なクラブでも同好会でもない、単にテニスやスキーが好きな者が集まったというだけのグループばかりだ。
「そういうのには、あたし、入らない」雪穂はきっぱりといった。
「そう?」
「だって、日に焼けちゃうもの」
「ああ、そりゃそうだろうけど……」
「知ってる? 肌というのは、すごく記憶力がいいの。その人が浴びてきた紫外線の量を、きちんと覚えているんだって。だから日焼けして黒くなった肌が、たとえ白く戻ったとしても、歳をとってから、そのダメージが現れるの。要するにシミになるわけ。日焼けできるのは若いうちだけなんていうけど、本当は若いうちだってだめなのよ」
「へえ、そうなの」
「でも気にしないでね。江利子がスキーやテニスをしたいっていうなら、それを止めたりしないから」
「ううん、別にしたいわけじゃない」江利子はあわてて首を振った。
その名が暗示している、雪のように白い親友の肌を見て、それぐらい気をつけて守るだけの価値があるだろうと彼女は思った。
こんなふうに話している間も、ケーキにたかる蠅《はえ》のように、男子学生が次々に寄ってきた。テニス、スキー、ゴルフ、サーフィン――よりによって日焼けを逃れられないものばかりで江利子はおかしかった。当然のことながら、雪穂が彼等の話に耳を傾けることはない。
その雪穂が足を止めた。猫のように少しつり上がった目を、彼女はあるサークルのポスターに向けていた。
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