双语阅读:《哈利波特与魔法石》第一章大难不死的男孩1.1
――おかしな服を着た連中には我慢がならん
――近頃の若いやつらの格好ときたら!マントも最近のバカげた流行なんだろう。
ハンドルを指でイライラと叩いていると、ふと、すぐそばに立っているおかしな連中が目に止まった。何やら興奮してささやき合っている。けしからんことに、とうてい若いとはいえないやつが数人混じっている。
――あいつなんか自分より年をとっているのに、エメラルド色のマントを着ている。どういう神経だ!まてよ。ダーズリー氏は、はたと思いついた。
――くだらん芝居をしているに違いない
――当然、連中は寄付集めをしているんだ……そうだ、それだ!やっと車が流れはじめた。数分後、車はグラニングズ社の駐車場に着き、ダーズリー氏の頭は穴あけドリルに戻っていた。
ダーズリー氏のオフィスは九階で、いつも窓に背を向けて座っていた。そうでなかったら、今朝は穴あけドリルに集中できなかったかもしれない。真っ昼間からふくろうが空を飛び交うのを、ダーズリー氏は見ないですんだが、道行く多くの人はそれを目撃した。ふくろうが次から次へと飛んで行くのを指さしては、いったいあれは何だと口をあんぐりあけて見つめていたのだ。ふくろうなんて、たいがいの人は夜にだって見たことがない。ダーズリー氏は昼まで、しごくまともに、ふくろうとは無縁で過ごした。五人の社員を怒鳴りつけ、何本か重要な電話をかけ、また少しガミガミ怒鳴った。おかげでお昼までは上機嫌だった。それから、少し手足を伸ばそうかと、道路のむかい側にあるパン屋まで歩いて買い物に行くことにした。
マントを着た連中のことはすっかり忘れていたのに、パン屋の手前でまたマント集団に出会ってしまった。そばを通り過ぎる時、ダーズリー氏は、けしからんとばかりににらみつけた。
なぜかこの連中は、ダーズリー氏を不安な気持にさせた。このマント集団も、何やら興奮してささやき合っていた。しかも寄付集めの空缶が一つも見当たらない。パン屋からの帰り道、大きなドーナツを入れた紙袋を握り、また連中のそばを通り過ぎようとしたその時、こんな言葉が耳に飛び込んできた。
「ポッターさんたちが、そう、わたしゃそう聞きました……」
「……そうそう、息子のハリーがね……」
ダーズリー氏はハッと立ち止まった。恐怖が湧きあがってきた。いったんはヒソヒソ声のするほうを振り返って、何か言おうかと思ったが、まてよ、と考えなおした。
ダーズリー氏は猛スピードで道を横切り、オフィスにかけ戻るや否や、秘書に「誰も取り継ぐな」と命令し、ドアをピシャッと閉めて電話をひっつかみ、家の番号を回しはじめた。しかし、ダイヤルし終わらないうちに気が変わった。受話器を置き、口ひげをなでながら、ダーズリー氏は考えた
――まさか、自分はなんて愚かなんだ。ポッターなんて珍しい名前じゃない。ハリーという名の男の子がいるポッタ一家なんて、山ほどあるに違いない。考えてみりゃ、甥の名前がハリーだったかどうかさえ確かじゃない。一度も会ったこともないし、ハービーという名だったかもしれない。いやハロルドかも。こんなことで妻に心配をかけてもしょうがない。妹の話がチラッとでも出ると、あれはいつも取り乱す。無理もない。もし自分の妹があんなふうだったら……それにしても、いったいあのマントを着た連中は……
昼からは、どうも穴あけドリルに集中できなかった。五時に会社を出た時も、何かが気になり、外に出たとたん誰かと正面衝突してしまった。
「すみません」
ダーズリー氏はうめき声を出した。相手は小さな老人で、よろけて転びそうになった。数秒後、ダーズリー氏は老人がスミレ色のマントを着ているのに気づいた。地面にバッタリはいつくばりそうになったのに、まったく気にしていない様子だ。それどころか、顔が上下に割れるかと思ったほど大きくにっこりして、道行く人が振り返るほどのキーキー声でこう言った。
「旦那、すみませんなんてとんでもない。今日は何があったって気にしませんよ。万歳!『例のあの人』がとうとういなくなったんですよ!あなたのようなマグルも、こんな幸せなめでたい日はお祝いすべきです」
小さな老人はダーズリー氏のおへそのあたりをやおらギュッと抱きしめると、立ち去って行った。
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