政府見解と異なる歴史認識の論文を発表し解任された田母神前航空幕僚長について、自衛隊トップの齋藤統合幕僚長は、「空幕長の立場としてふさわしくない」と厳しく批判しました。

　「先の大戦の認識について、政府見解と明らかに異なる意見を公にすることや、憲法に関する重要な事項について不適切な表現で見解を披露目することは、航空幕僚長としてふさわしくないものだと考えています」（齋藤隆 統合幕僚長）

　また齋藤統合幕僚長は、田母神氏を解任した浜田防衛大臣の判断は正しかった、と述べ、「意見交換は活発にやるべきだが、政府の決定には愚直なまでにもきちっと従うことが必要だ」と制服トップとしての認識を示しました。

　ところで、懸賞論文に応募した７８人の航空自衛官のうち６２人が小松基地所属でしたが、小松基地では、幹部への教育として「真の近現代史観」という問題の懸賞論文と同じテーマで論文を書かせていたことが明らかになりました。

　防衛省では、なぜ組織的とも受け取られるような論文の投稿になったのかなど、経緯や論文内容についてさらに調査しています。