【日语泛听教室】第15期 元の木阿弥
正解は2番、お坊さんの名前です。日本の戦国時代の出来事から生まれた故事成語なんですけど、戦国時代織田信長が活躍する時代とほぼ時を同じくして、1551年、現在の奈良県、大和に筒井順昭(つついじゅんしょう)というとても強い武将がいました。この順昭、残念なことに、28歳で不治の病でなくなりました。しかし当時息子はまだ三歳と幼くて、順昭がなくなったということに乗じ、周囲のライバルが攻めてくる恐れがありました。そこで、順昭は遺言で自分と声がよく似ている奈良の「木阿弥」という貧乏な僧侶を影武者に、と残して息を引き取りました。順昭の影武者として連れてこられた木阿弥はこれまでとは打って変わり、贅沢三昧な生活を送ることができたんですが、その後筒井家は体制を建て直し、順昭の死を公表し、息子順慶(じゅんけい)を正式に当主としました。というわけで、木阿弥は荷を解かれて、奈良に帰り、貧しい僧侶として元の木阿弥に戻ったということから、元に戻ることを元の木阿弥というようになったということです。残念だったでしょうか、それともやれやれとほっとでしょうかしらね。
影武者(かげむしゃ):敵をあざむき,身代わりとするため,主君と同じ服装をさせた武者。
打って変わる:急に変わる。「昨日とは─・った冷淡な態度」◇「変わる」を強めていう。
贅沢三昧(ぜいたくざんまい):思いのままに贅沢にふけること。
当主:現在のあるじ。その家の,今の主人。
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