アメリカのオバマ大統領は、政権発足以来、初めての国賓としてインドのシン首相を迎え、世界的な課題の解決に向け、インドとの協力関係を強化していくことで一致しました。

　異例の３泊に及んだ中国訪問からわずか数日、初の国賓の相手としてオバマ大政権が選んだのはインドでした。

　「米印関係は２１世紀を規定する関係の１つになるだろう」（オバマ大統領）

　２４日に行なわれた首脳会談で、オバマ大統領は、シン首相に対し、インドに原子力技術を供与する２国間の原子力協力協定の完全な履行を約束すると共に、クリーンエネルギー分野などでの協力強化に合意しました。

　その上でオバマ大統領は、来年のインド訪問を受け入れ、前のブッシュ政権が確立したインドとの戦略的関係を、さらに発展させることを確認しました。

　台頭するインドとの貿易でアメリカはすでに第一の相手国になっており、首脳会談と並行してガイトナー財務長官が主催する双方の経済界のトップによるフォーラムも開かれたほか、年１回閣僚レベルでの経済対話を始めることでも合意しました。

　シン首相に対しては、昼は副大統領らによる昼食会、夜にはホワイトハウス南庭に特設テントをしつらえての公式晩餐会という歓迎ぶりで、中国とインドのバランスをとりながら、２大新興国への関与を深めるというオバマ政権の姿勢を、強く印象付けるものとなりました。