双语阅读:【青春小说连载】春の夢(111)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
八(18)
「私、哲之のお母さんを好きよ」
最初から、嫁と喧嘩しようと考えている姑はいないだろうし、姑といがみ合おうと思っている嫁もいない筈であった。それなのに、嫁と姑が仲良く暮らしていることが稀なのはなぜだろう。哲之はなんとなく、そこに女という生き物を成している根源の核と呼べるものがあるような気がした。
「結城」の戸を叩いた。二階の窓が開き、母が顔を覗かせた。
「こんばんは」
あたかも親しい女友達にするみたいに、陽子は屈託なく笑い、ひょんひょん飛び跳ねながら手を振った。
「いやあ、陽子さん、お久し振りやねェ」
母も嬉しそうに笑って窓を閉めた。玄関の鍵を外す音がした。母が、自分たちも来訪をどんなに喜んでいるか、そのすりガラス越しに映っている動作で、哲之にはすぐに判った。母は陽子を見るなり不審気な顔をした。
「どないしはったん?その髪の毛……」
そして、ふたりを二階の自分の部屋にともなった。
「ちょっと待っててな。いま、お茶を入れるよってに」
そう言ってまたすぐに母は階下へ降りて行った。
「そやから言うたでしょう。こんな幽霊みたいな髪にさせて」
陽子は口を尖らせ、恨めしそうに哲之を睨みつけた。
「俺、頭からシャワーをかぶれなんて、言えへんかったぞ。陽子が勝手にそうしたんや」
「そやけど、あのとき、ええい、どうなとなれって、思てしもてんもん……」
「マタキタロウが悪んや。あのおっさんが、陽子をそんな気にさせよったんや」
言ってしまってから、あるいは本当にそうかもしれないと哲之は思った。あの京都の下町の一角の連れ込みホテルの、なんとも侘しさを漂わせたたたずまい。その玄関を開けて中へ入った瞬間の哀しみ。そして主人の善意に満ちた剽軽さ。些細な事象を媒介(ばいかい)にして、恐ろしい速度で変化する人間の心。そんなおぼつかない心に支配されて生きるのは、なんと馬鹿げたことだろう。そうした想念に浸るとき必ずあらわれるキンの姿が、哲之の脳裏に、条件反射のように浮かび出て、しっぽを左右にくねらせた。
「そんなに坐ってんと、おこたに入りはったらええのに」
急須と湯呑み茶碗を盆に乗せて部屋に入るなり、母は陽子にそう言った。言われるまま炬燵に入り、陽子は母にトイレの場所を訊いた。陽子が階下に降りしまったのを確かめてから、母は哲之の頭をこづいた。
「男はすぐそれや」
「何のことや」
「ちゃんとセットしてあった髪が、なんであないに伸びてしまうんや。陽子さんは、きれいにセットもせんと出かける娘やあらへんで」
「雨が降ったんや」
哲之は母の優しい口調につられ、笑みを浮かべつつ答えた。
「にわか雨がな」
「うん」
陽子が戻って来て、茶をすすった。哲之は、就職がきまったことを、母と陽子に伝えた。
「いつ?」
陽子が驚き顔で訊いた。
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