您现在的位置:首页 > 双语阅读 > 小说与诗集 > 春之梦 > 正文

双语阅读:【青春小说连载】春の夢(127)

时间:2012-02-09 15:13:07  来源:可可日语  作者:dodofly

提要:哲之突然在脑海里勾勒出最近所知的宾馆内的大概阀派争斗。社长已经79岁,所犯坐骨神经痛非常恶化几乎全部住在芦屋的自家房子里。

九(14)

そう言って電話を切った。鶴田の応対ぶりで、哲之は犯人が断じて鶴田ではないことを確信した。彼は喫煙店所の長椅子に腰かけ、きっとこの事件は迷宮入りになるだろうと思った。中岡は二度と地下の舶来品専門店に忍び込んだりはしないだろうし、ホテルも警察ざたにはせず、盗まれた品を弁償することで決着をつけるだろう。しかし、昨晩のならず者の手口といい、中岡の、鶴田を犯人に仕立てあげようとする計略といい、なんと稚拙なことだろう。人間は怯えが先立つと、途端に馬鹿になる。もし仮に今夜、鶴田が地下へ降り、待ち構えていたガードマンに取り押さえられたら、かえって自分の犯行がばれることを、若手社員の中では切れ者と批判の中岡が判ったいないのが不思議だった。最初は鶴田は頭から犯人扱いされるだろう。だが、鶴田の話を聞いて、もう一度社員の出勤薄を調べなおしたら、中岡の名も上がる筈なのだ。半年前ではなく一年前まで徹底的に調査したら、今度は鶴田の名は消えて、中岡だけの名前が残るに違いない。こんな考えにひたっているうちに、哲之は、あるいはすでに百合子と中岡は深い関係にあるのではないかと思った。しかも百合子は、犯人が中岡であることも知っている。いや、もしかしたらふたりの共謀(きょうぼう)の犯行かもしれない。だとすれば、百合子の俺に向ける視線は何だろう。ついさっきの、百合子の肉体への欲情は跡形もなく消し飛んでいた。
哲之は、やっと最近になってそのおおよそを知ったホテル内の派閥争いの構図を頭に描いてみた。社長はすでに七十九歳で、持病の坐骨神経病が悪化してほとんど芦屋(あしや)の自宅にこもりきりだった。そのため、来年の株主総会で社長の交代はまず間違いのないところと噂(うわさ)されていた。副社長がふたりいて、どちらも社長の息子だったが、社長は長男を事業家としてはあまり評価していなくて、実務に長けた弟(おとうと)の方に後を継がせたい意向なのだが、長男を後押しする者と次男後押しする者とが、この夏以来、裏で熾烈攻防戦を開始した。そしてホテルの主要なポストを占めている者たちはほとんど次男側であった。支配人もフロント課長の井本も、人事部長も、その部下である島崎課長も、配膳部も調理部も……。それからは直接にホテルの実務にたずさわっている連中だった。反対に長男側は、営業本部長、総務部長などの連中がみこしをかついでいた。哲之はやはりこれも鶴田の口から聞いた、
「中岡はフロントにおるけど、営業本部長の飼い犬や」
と言う言葉を思い出し、溜息をついて立ち上がった。
「なるほど。あの中岡が、ブレスレットやハンドバッグを盗むほどアホとは違うよな」
彼は思わず声に出して呟いた。さまざまな不祥事を起こし、直接ホテル内で働いている次男側の派閥の各部の責任者に失点を積み重ねさせて、それを錦の御旗に株主総会で大博打を打つ作戦か。まあ、それしか長男を社長にすえる手はないもんな。哲之は胸の中でそう呟いた。彼は、百合子の視線も、中岡の入れ知恵なのだろうと考えた。正式な入社試験も受けず、島崎課長の推薦で入社してくる俺が、まだ入社式もすまないうちから、女子社員に手を出したとなれば、それは島崎課長やその上司(じょうし)の姿態ということになる。ボーイが盗みを働らいたり、ならずものに何度も金をゆすり取られたら、支配人も責任を取らざるを得ないだろう。

上一页 [1] [2] 下一页

相关阅读

文章总排行

本月文章排行

无觅相关文章插件,快速提升流量