双语阅读:【青春小说连载】春の夢(131)
提要:三宅也是个傻瓜。有老婆孩子的男的,和自己公司的员工特别是还没有结婚的小女孩有那么深的关系,在枕边私房话中还尽情说个子高派的大事情。如果这些暴露了,即便是派阀斗争的最大功劳者,也说不定不会让呆在这个公司的。
十(2)
「えらい詳しいんですね。会社のトップ同士のやりとりを、ボーイの鶴田さんがなんでそこまで知ってるんですか?」
しばらく上目遣いに哲之を見ていたが、鶴田はやがて唇を歪めて笑い、
「井領くんに助けてもろたから教えたるわ。誰にも言うなよ」
そう前置きしてから、おもむろに言った。
「俺にはびっくりするような情報源があるんや」
「誰ですか?」
「グリルにいてる百合子や」
「百合子……!」
「俺、あいつと何回も寝たんやでェ」
鶴田は得意そうに言い、さらにこう付け足した。
「そやけど、あいつはデブ派の営業本部長のこれや」
目の前に突きつけられた鶴田の小指が何回も伸びたり曲がったりした。
「だいたい察しがつくやろ?」
「何がですか?」
哲之はもうどうでもよくなり、この熱した通路から早く立ち去りたかったので、うわの空で訊いた。
「営業本部長が、デブ派のふりをしながら、じつはノッポ派のまわし者やったということがや」
間抜け面してても、こいつ、なかなかしたたかじゃないか。哲之は鶴田に微笑を注ぎ、心の内でそう思った。この稚拙な陰謀の遂行をデブ派の馬鹿連中に承認させ、中岡を猿廻しの猿に仕立てあげる工作をし、次期社長の座をノッポ派の手中にほぼ納めさせた最大の功労(こうろう)者は、三宅稔という彫り深い顔立ちの営業本部長だったわけか。こいつにも、その程度の読みは出来るということだ。鶴田は、哲之の無言の微笑を怪訝そうに見つめ、
「何がおかしいねん」
と言った。
「どっちにしても、鶴田さんの出世の望みは絶たれたわけですよ」
「なんでやねん」
「百合子は誰とでも寝る女や。中岡さんとも、鶴田さんとも、営業本部長とも。営業本部長は、百合子が中岡さんや鶴田さんと寝たことをとっくの昔に知ってたんです。それから、中岡さんに泥棒をさせ、ついでにその嫌疑を鶴田さんにかぶせる細工(さいく)をしたんですよ。たとえ百合子が自分の生理的排泄物の手頃な処理場でしかないにしても、あの娘、なかなか可愛らしい魅力的な処理場やからね。三宅さんも人間の男である以上、まったく中岡さんと鶴田さんに嫉妬心を抱かん筈がない。俺、これで筋書きが全部読めましたよ。ことしの株主総会でノッポが社長になったら、ある時期をおいて三宅さんはそれ相当の昇格をするでしょう。そやけど、鶴田さんは停年までボーイや」
徐徐にこわばって来た鶴田の顔を見ているうちに、哲之は果たしてどこまで成功するかわからぬ策略を思いついた。
「三宅さんもアホや。女房と子供のある男が、自分の会社の従業員の、それもまだ嫁入り前の小娘と深い関係になって、あげく寝物語にノッポ派の大事な作戦をぺらぺら喋ってしまいよった。それがばれたら、なんぼ派閥争いの最大の功労者でも、会社におられへんようになるっちゅうことが判らんのかなァ。うっかりこれがデブ派にばれたら勝ったつもりのノッポ派がどたん場でうっちゃりを食うがな」
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