双语阅读:【青春小说连载】春の夢(159)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
十一(10)
ドアをあけた途端、哲之は屈強な腕で胸ぐらをつかまれ、壁に押し付けられた。
「大きな声を出すなよ」
男はそう囁いて顎をしゃくり、哲之を階段から引きずり降ろした。哲之の全身に奇妙なうずきが生じ、足がもつれた。道の曲がり角に車が一台停まっていた。哲之は車に乗せられた。車が走り出しても、男は哲之の胸ぐらをつかんだままであった。運転している男の顔にも見覚えはなかったが、あの小堀という取り立て屋の仲間であることは間違いがなかった。このまま生駒の山中に連れて行かれて殺されるのかもしれない、と思い、哲之は震えた。だが車は国道を右に折れ、川のほとりで停まった。あたりは街路灯ひとつなく、人家もない原っぱだった。
「なめた真似してくれたなァ」
胸ぐらをつかんでいる男が言った。運転をしている男は見張り役らしく、周囲の闇をさぐるだけでひとことも発しなかった。
「お前のおかげで、俺のだちは五年もくらいこんだや。それだけの覚悟があってのことやろ」
「ぼくをどうするんですか」
「殺すんや」
「そうしたら、殺されんですみませんか」
「五年もムショに入るのとおんなじ思いをするんやなァ」
と男は言った。
「それに、こっちはお前の親父の手形をまだ金に換えてないんや」
「金は払います」
「利子がついてるでェ」
「利子も払います」
哲之は哀歓するように言った。
「よし、利子がついて、百五十万や」
「百五十万……」
「小堀がムショから出て来たときに、それぐらいのお詫びはしてもらわんとなァ。五年やぞォ。五年も臭い飯を食わされるんや。お前のおかげで」
「そんな、百五十万なんて金、逆立ちしたってぼくにはありません」
「そしたら、ここで死ぬんやなァ」
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