日语能力考试一级阅读精选问题集(57)
デジャ・ヴュというフランス語を最近、雑誌などでよく見かけるようになったが、どこかそれに似てなくもない現象に出会って、愕然(がくぜん)とさせられることがある。それは、たとえばこんなふうに起きる。
本を読んでいて、あるいは散歩の道すがらなどで、ぐうぜん目にはいった事柄について、それまでは考えてもみなかった疑問をおぼえたり、興味をそそられたり、感動を喚び(よび)覚まされたりすることがる。対象は本ぜんたいであることもあり、その一部分であったり、ときには、ぐうぜん通りかかった道の名にすぎないこともある。
ここまでは、だれでもに起こることだろう。しかし、私の場合はそこで終わらない。それはこうである。本で読んだり道で見たりしたその瞬間には、あ、そうか、ぐらいで済むのだが、とういうものか、それからまもなく、たとえば数日とか数時間、ときには数週間をおいてから、こちらの意志とはまったく関わりなく、ふたたびおなじ事柄に別の本のなかでばったり出会ったり、それが人との会話に出てきたりして、自分ではほとんど忘れかけていた興味なり感動なりが、再度、喚び覚まされるのだ。
しかも、それが一度とはかぎらないで、くりかえし、おなじことが起こる。ぐうぜんといえばぐうぜんなのだろうが、こちらがそんな経験を持ったことを知っているはずのない人から、その事柄についての本をもらったり、こちらが訊ねもしないのに、そのことが相手の口にのぼったりして、えっ、どうしてなの?と驚く。
まるで物事の背後に目に見えないネットワークとか電線がひそかに敷かれていて、それがこちらの興味のおもむく方向を本人である私の知らないまに把握し、支配しているのではないかと疑ってしまうほど、なんともいえない奇異の感に打たれるから、「知識は連なってやっている」といいたくなるほどだ。どこかで陰謀をねっているヤツらがいるに違いない。
(須賀敦子「ザッテレの河岸で」『ヴュネツイア案内』新潮社による)
「注:」デジャ・ヴュ:既視感。以前見たことがあるの意。記憶遠いの一種。未経験のことを経験したことがるように感じること
この文において、筆者が言いたいことは次のどれか。
1 本を読んだり、散歩をしている時に、デジャ・ヴュをよく経験し、愕然とさせられることがあり、誰かに支配されているように感じ、気持ちが悪い。
2 デジャ・ヴュを経験した後で、また何度も同じような経験をし、不思議で、「知識は連なってやってくる」ということを実感している。
3 デジャ・ヴュだと思っていたが、本当は知らないところで私の興味を把握するネットワークがあり、陰謀が練られているに違いない。
4 普通の人が経験しないようなデジャ・ヴゅを経験し、これは誰かが私に連続して知識を与えているのだと思うようになった。
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