【双语阅读】【恋空】第六十八回
在日本的这部叫做【恋空】的手机小说,是一部感动1200万人的小说。
2006年10月7日,【恋空】正式出版,一个月内就卖出了一百万部,在当年度的文艺类书籍销量榜上位列第三。手机小说竟然挤入排行榜,与名作家的书分庭抗礼,这给日本出版界带来了重重一击。目前,【恋空】的销量已经打破140万,它成了社会的一大热点,被看作是改变小说界传统运作模式的传奇作品。
我们已经读了这么久,大家喜欢这部小说吗?
请伴随着优美的电影原声音乐,继续和美嘉一起,度过一段不可思议的青春时光吧。
第一页 日语原文
第二页 中文翻译作品
【日语原文】
温かい体温に包まれたまま時は過ぎてゆ く。
「もう 11 時過ぎか~時間経つの早いな」 雰囲気を戻そうと
明るい声で言う優。
携帯電話を開き 時間を見た。
……11 時 20 分 もうすぐ夜が明けて
クリスマス。
忘れるわけがない。 美嘉には
行かなければならない 場所がある。
「ごめん。ちょっと行かなきゃいけない場 所あるんだ…。すぐ帰って来るからちょっと 行ってもいい??」
「こんな時間にか?どこ行くん?」
「ごめん、ちょっと…」
優はそれ以上何も聞こうとはしなかった。
「俺車出したるわ!」
「大丈夫だよ!!」
「行く場所までは行かへんから。近くに車 とめておくし!」
「でも……」
「ええから!」 優の強引な説得には
勝てそうもない。
外に出ると 雪は降っていなかった。
さっきまで降っていたのか、 地面にはたくさんの雪が積もっている。
まだ誰も歩いていなくて足跡がない雪の上 を歩くのは、 なぜだか嬉しい気持ちになるものだ。
空気が澄んでいて、 景色が絵葉書のようにクッキリしている。
それぞれ家でパーティーをしているのか、 まわりは耳が痛いくらい静かで車の音さえ 聞こえない。
息をするたびに口から出る白い息が、 寒さを物語っている。
街ではたくさんのカップルがホワイトクリ スマスではないことを残念がっているだろ う。
雪が降っていないと空がハッキリと見える から、そのおかげで落ちてきそうなほどの 星の瞬きを見ることが出来る。
雪が降らないクリスマスもなかなかロマン チックかも…。
凍えるような寒さ、 優のポケットに手を入れながら車に乗り込 む。
静かな住宅街に エンジンの音が響いた。
「どこに行くん?」
「…じゃあ高校の前で……あとコンビニ寄 ってもらっていい??」
「おーええよ!」
車は学校へ向かう途中コンビニにとまり、 花とお菓子を買って
再び車に乗り込んだ。
お参りのこと 優には言いにくいな。
優もきっと気になってはいるんだろうけ ど、
聞けないんだと思う。
美嘉とヒロの赤ちゃんのことだから 優が聞いたらいい気はしないと思ったん だ。
いつか優に聞かれた時…そして優が不安に なったその時には
ちゃんと言うね。
そんなことを考えているうちに 車は学校の駐車場へと到着した。
なんかあったら連絡せぇよ。俺はここで 待っとるからな!」
「うん…ありがと。行ってくるね!!」
携帯電話を取り出し時計を見ると 11 時 50 分。
ぎりぎりクリスマス前。 早い時間に来たのには
理由がある。
去年のクリスマスにお参りに来た時、 花壇にはお花や手袋が置いてあった。
つまりヒロのほうが先にお参りに来た… ということになる。
今年はヒロより先にお参りしたかったん だ。
ヒロが今年もお参りに来るかはわからな い。
もう来てくれないかもしれない。 だけどもし来てくれたとして、
美嘉が先にお花やお菓子を置いておいたら ヒロは気付いてくれるかもしれないから…。
【ヒロとは離れてしまったけど赤ちゃんの こと忘れてないよ】
そんな メッセージを…。
積もる雪をかき分けて、公園へと向かう。
学校から近いはずの公園も積もった雪のせ いで 到着するのに少し時間がかかってしまっ た。
花壇のほうへ行き花壇に積もった雪を除け て、
さっき買った花とお菓子を置いた。
まだヒロは 来ていないみたい。
期待してたわけじゃないけど…。 花壇に向かって
手を合わせた。
【あれから二年が経ちましたね。君は今幸 せですか…??】
天国の赤ちゃんに送ったメッセージ。 そしてヒロに送った
メッセージ。
お参りを終え、 公園を出て優の待つ学校の駐車場へ帰ろう と歩き始めたその時…
こっちに向かって歩いて来る 帽子を深くかぶった人。
なんで わかるんだろう…。
あれはヒロだ。 鉢合わせを避けようと反対側の道路に渡ろ
うとしたが、 車が多くてなかなか途切れる気配はない。
反対側に行くのを諦め、鉢合わせをする覚 悟を決めそのまま歩き出した。
ヒロは帽子を深くかぶっているから、 きっと気付かないよね。
下を向きながら 通り過ぎた時…
「…美嘉。。。?」 すれ違った瞬間に
腕を強く掴まれた。
おそるおそる 顔を上げる。
……やっぱりヒロだ。 なんで??
なんでヒロは 美嘉を引き止めたの。
何が起きたの??
思いがけない状況に 頭が混乱している。
「…久しぶりだな」 ヒロは掴んだ腕を離し
口開いた。
懐かしい ヒロの声。
掴まれた腕が熱い。 悲しいわけではないのに涙が込み上げる。
「…美嘉?」
ヒロが呼ぶ 美嘉の名前…。
あんなに遠かったはずなのに、 今こんなに近くにいる。
ヒロが…近くにいる。
降り始めた雪が、 ネックレスの上にポツッと落ち首もとを冷 たくした。
それによって現実の世界へと引き戻され る。
優から貰った ネックレスのおかげ。
「…ヒロっ、久しぶり!痩せたね!!」 緊張のせいか
妙に大声を張り上げる。
ヒロは静かに微笑み、 あの頃と変わらない笑顔で答えた。
「帽子かぶってるからそう見えるだけじゃ ね?」
その顔を凝視することが出来ず、 ヒロの肩あたりを見つめる美嘉。
下を向くと 涙が出てしまいそう…。
「…帽子かぶってるとこ初めて見たぁ!!」
「今俺の中のブームは帽子だからな!」 もう二度と、
こうやって笑いながら話すことはないと思 っていた。
いつかどこかでもう一度出会える日が来た ら、 嫌みの一つでも言ってやろうと思ってたの に…。
不思議だね、 会ったらそんなのどうでもよくなっちゃっ たよ。
「どこに行こうとしてたの…??」
「…近くのコンビニに買い物」
…嘘つき。 だってポケットから見えてるよ。
去年花壇に置いてあった白くて小さい花 見えてるんだよ…。
【美嘉と別れた 本当の理由は??】
喉の近くまで出た言葉を込み上げる想いと 共に飲み込んだ。
これ以上ここにいると、懐かしさに引き込 まれてしまいそう。
前に進んでいると思っていたのに… 今もまだこんなに胸が痛いのはどうしてか な。
やっぱり…… 神様って意地悪だね。
「じゃ…」
耐えられなくなり 歩き出す。
「おい…」 何かを言いかけるヒロ。
「……何??」
今自分を守るためには、冷たい態度をとる しかないんだ。
…ヒロごめんね。
沈黙が続く。
「いや…じゃあな」 ヒロは一瞬美嘉の頭に手をのせようとした
が、 すぐに手を離し歩き出した。
二人は背を向けたままゆっくりと歩き出し た。
ヒロの足音が 遠くなっていく…。
足を止め、 振り向いた。
ヒロはもういない。 公園に行ったのか、
コンビニへ行ったのかはわからないけど…
でもね わかっているんだ。
ヒロの足跡が途中で こっち側を向いている。
ヒロ… 美嘉がこうして振り向いたように、
ヒロも美嘉のほうを振り向いてくれてたの かな。
本当は気付いていた。 すれ違った時
ヒロからは美嘉のあげたスカルプチャーの 香りがしたことを。
あの日… 別れた日にヒロの背中を追い掛けなかった こと、本当は少し後悔してた。
あの時子供みたいに泣きわめいていれば… 別れたくないって追い掛けていれば何か変 わっていたのかな??
このまま歩き続ければ、優が待っている。 でも
戻って追い掛けたら ヒロに追い付くことも出来るだろう。
二本の道… どっちを選んでも
いつか後悔する日が来るかもしれない。
もう一度傷つく? 安心を求める?
美嘉は どっちに行けばいい??
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