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【双语阅读】【白夜行】第三回

时间:2011-09-01 09:22:41  来源:可可日语  作者:Anna

今天我们来将继续读读东野圭吾的经典小说 白夜行

 

《白夜行》将无望却坚守的凄凉爱情和执著而缜密的冷静推理完美结合,被众多“东饭”视作东野圭吾作品中的无冕之王,被称为东野笔下“最绝望的念想、最悲恸的守望”,出版之后引起巨大轰动,使东野圭吾成为天王级作家。2006年,小说被改编成同名电视连续剧,一举囊括第48届日剧学院奖四项大奖。“只希望能手牵手在太阳下散步”,这句象征《白夜行》故事内核的绝望念想,有如一个美丽的幌子,随着无数凌乱、压抑、悲凉的事件片段如纪录片一样一一还原,最后一丝温情也被完全抛弃,万千读者在一曲救赎罪恶的爱情之中悲切动容…… 

 

 

 

 

死体発見翌日の午後、解剖所見が西布施警察署に設置された捜査本部に届いた。それにより被害者の死因及び死亡推定時刻は、松野教授の見解と大差ないことが確認された。

 

 ただ、胃袋の内容物に関する記述を見て、笹垣は首を傾げた。

 蕎麦《そば》、葱《ねぎ》、ニシンの未消化物が残留。食後約二時間から二時間半が経過、とあったのだ。

「これがほんまやとすると、あのベルトの件はどう考えたらええんでしょう」腕組みをして座っている中塚を見下ろして、笹垣は訊いた。

「ベルト?」

「ベルトの穴が二つ緩んでたことです。そんなことをするのは、ふつう飯を食うた後でしょう。二時間も経ってたんやったら、戻しておくもんと違いますか」

「忘れてたんやろ。ようあることや」

「ところが被害者のズボンを調べてみたら、本人の体格に比べて、結構ウエストのサイズが大きめなんです。ベルトの穴を二つも緩めたら、ズボンがずり下がって歩きにくかったはずです」

 ふうん、と中塚は曖昧《あいまい》に頷いた。眉を寄せ、会議机の上に置かれた解剖所見を見つめた。

「そしたら笹やんは、なんでベルトの穴がずれとったと思う?」

 笹垣は周りに目を配ってから、中塚のほうに顔を近づけた。

「被害者があの現場に行ってから、ズボンのベルトを緩める用事があったということですわ。それで今度締める時に、二つずれてしもうたというわけです。締めたのが本人か犯人かはわかりませんけど」

「なんや、ベルトを緩める用事て?」中塚が上目遣いに笹垣を見た。

「そんなもん、決まってますがな。ベルトを緩めて、ズボンを下ろしたんですわ」笹垣はにやりと笑って見せた。

 中塚は椅子にもたれた。パイプの軋む音がした。

「ええ大人が、わざわざあんな汚《きたの》うて埃っぽい場所で乳繰り合《お》うたりするかい」

「それはまあ、ちょっと不自然ですけど」

 笹垣が言葉を濁すと、中塚は蠅《はえ》を払うように手を振った。

「面白そうな話やけど、勘を働かす前に、まずは材料を揃えようやないか。被害者の足取り、追っかけてくれ。まずは蕎麦屋やな」

 責任者の中塚にこういわれては反論できない。わかりましたと頭を一つ下げ、笹垣はその場を離れた。

 桐原洋介が入った蕎麦屋が見つかったのは、それから間もなくのことだった。弥生子によれば、彼は布施駅前商店街にある『嵯峨野屋』を贔屓《ひいき》にしていたらしいのだ。早速捜査員が『嵯峨野屋』に行って確認してみたところ、たしかに金曜日の午後四時頃、桐原が来たという証言を得られた。

 桐原は『嵯峨野屋』でニシン蕎麦を食べている。消化状態から逆算して、死亡推定時刻は金曜日の午後六時から七時の間であろうと推測された。アリバイを調べる際には、これに少し幅を持たせた午後五時から八時までの間を重視することになった。

 ところで松浦勇や弥生子の話では、桐原が自宅を出たのは二時半頃だ。『嵯峨野屋』に入るまでの一時間あまり、彼はどこへ行っていたのか。自宅から『嵯峨野屋』までだと、いくらゆっくりと歩いても十分程度しか要しない。

 これについての答えは月曜日に得られた。西布施警察署にかかってきた一本の電話が、この疑問を解決してくれたのだ。電話をかけてきたのは、三協銀行布施支店の女性行員だった。先週金曜日の閉店前に桐原洋介が来た、というのが電話の内容だった。

 すぐに笹垣と古賀が同支店に向かった。近鉄布施駅南口の、道を挟んだ向かい側にその支店はあった。

 電話をかけてきたのは、窓口担当の若い女性行員だった。愛嬌のある丸い顔に、ショートカットの髪形がよく似合っていた。衝立《ついたて》で仕切られた応接スペースで、笹垣たちは彼女と向き合って座った。

「昨日新聞で名前を見て、あの桐原さんやないかなと、ずっと気になってたんです。それで今朝名前をもう一回確認した後、上司に相談して、思い切って電話してみたんです」背筋をぴんと伸ばし、彼女はいった。

「桐原さんは何時頃いらっしゃいましたか」笹垣が訊いた。

「三時ちょっと前でした」

「用件は何でした?」

 すると女性行員は少し躊躇《ちゅうちょ》した。客の秘密をどこまで話していいものか、判断しにくかったのかもしれない。しかし結局彼女は口を開いた。

「定期預金を解約して、その分を引き出されました」

「金額は?」

 彼女はまたためらった。唇を舐《な》め、遠くにいる上司のほうをちらりと見てから小声でいった。「百万円ちょうどです」

 ほう、と笹垣は唇をすぼめた。ふだん持ち歩く金額ではない。

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