双语阅读:【青春小说连载】春の夢(7)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
一 (7)
といった。たいした額ではないといっても、五十四万円で、いまの哲之と母には大金だった。哲之は母に内緒で浪速実業金庫まで出向き、自分はいま学生で、来年就職する予定であるから、それから何年間にわたって払わせてもらえないかと、その老人に頼んでみた。話は成立し、その間の利子は計算しないこととして、覚え書のようなものに判を押した。もう一枚の、手形ブローカーに渡った三十二万三千円の六カ月手形が問題だった。話し合いとか、こちらの事情など通用しない相手で、夜中に訪れて、明け方近くまで、すごんで見せたり、優しく哀願したり、あの手この手3カ月間、哲之と母の住む家に通って来たのである。母はそのうち気がふれたようになり、夜になると全身を震わせ始め、押入れの中に入って朝まで出てこなかった。哲之はその間、友人の家を転々と泊まり歩いていた。一週間前、それまでひとりで訪れてきた男は、三人のやくざ者と一緒にやって来、玄関の戸をけり倒してあがりこんでくると、押入れの中で震えていた母を引きずり出し、金を用立てなければ息子の片腕を一本貰って行くと脅したのだった。あくる日の朝、母と哲之は家財道具をまとめ、家主にわけを話して、尼崎(あまがさき)之伯母の家にひとまず身を隠した。夫に先だたれ、年金と近くの自動車部品メーカーでパートとして働いて得るわずかな金で生活し、小さな借家でひとり住まいしている伯母は、その手形ブローカーが哲之と母はの居場所を突き止めて自分の家に押しかけて来はしまいかと心配していた。哲之と母は相談の末、とりあえず別々のところに別れて住んで、やくざから逃げようということになった。
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