双语阅读:【青春小说连载】春の夢(46)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
四(4)
「ちょっと話があるんやけど」
机の上に書類を片付けてから、島崎は幾分がに股の脚をせかせかと働かして、地下の従業員食堂に行った。自動販売機から缶入りコーラをふたつ買い、テーブルに坐って哲之にも坐るよう促した。
「井領くんは、来年、大学を卒業するんやったな?」
「ええ、その予定ですけど」
「どんな会社に就職したいと思てるのかなァ?」
「まだ考えてません。就職試験を受けても落ちるかも知れませんし」
島崎は食堂には自分と哲之以外誰もいないのに、急に声をひそめて身を乗り出した。
「いっそ、このままうちのホテルに就職したらどうや」
「ホテルにですか……」
「ホテルマンは、いやか?」
返答に困って哲之は勤められるままコーラを飲んだ。
「この二ヵ月、ずっと井領くんの勤めぶりを見て来て、ぜひ大学を卒業したら、うちで働いてもらいたいなァと思たんや。近頃のアリバイと学生には、ちゃらんぽらんが多いけど、井領くんは折り目も正しいし、よう働いてくれる。お客さまの中に、ときどき井領くんをほめる賞める人もおるんやで」
「はあ……」
客に賞められるようなことをした覚えないのに、と哲之は思った。
「来年、うちのホテルでは大学卒を十名、高校卒を二十名採用する予定や。どうや、もう いっそ早いこと就職を決めてしもたら……」
「採用試験も受けへんうちから、そんなことを決められるんですか?」
島崎は実直そうな顔に、得意げな笑みを浮かべて言った。
「ぼくが推薦したら、一発で決まりや」
それがくせらしく、島崎は煙草のフィルターを舌の上に乗せて舐め回してから火をつけた。
「あの磯貝くんも、ぼくが入社させてやったんやで」
島崎は、磯貝と自分とは同じ町の出身なのだと説明した。
「磯貝くんのお父さんはお医者さんで、京都の丸太町で耳鼻科を開業してはったんや。ぼくの家はその裏通りにあってなァ、小さい頃の磯貝くんをよう知っているんや」
それから島崎は、また声をしのばせて、
「あの子ぐらい可哀そうな子はないでェ」
と言った。
磯貝耳鼻咽喉科はよく繁盛していて、やがては長男である磯貝晃一が跡を継ぐものと誰もが思っていた。ところが思いもかけない災禍が一家を襲った。医者仲間と北陸に旅行に出かけた父親がどうしたはずみか駅のホームから線路の上に落ち、そこへ特急電車が猛スピードで入ってきた。
「ところが、それだけやないんや」
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