双语阅读:【青春小说连载】春の夢(47)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
四(5)
島崎は小声で話をつづけた。父親が事故死して一年もたたないうちに、母親まで電車にはねられて死んだ。桂にある親戚の家に用事が出来て出向いた母親はその帰り道、無人踏切りに立って、河原町からやってくる梅田雪の阪急電車の通り過ぎるのを待っていた。何を急いでいたのか、電車が通り過ぎると、まだ上がっていない遮断機をくぐって踏切りを渡ろうとした。母親は同時に梅田から河原町へと疾走して来る電車に気がつかなかった。
「何かのたたりみたいやろ?」
と島崎は言って、そこで言葉を区切った。彼はもう一本煙草を抜き出し、またフィルターを舐めた。
「そのとき、磯貝くんはまだ高校一年生で、妹は小学校の六年や。彼は伯父(おじ)さんに引き取られて、妹はまだ別の親戚にひきとられたんや。長いこと別々の生活が続いたけど、今年の二月やっと豊中にアパートを借りて、兄妹が一緒に暮らせるようになったんや。あんなことがなかったら、磯貝くんは今頃、お父さんの跡を継いで、お医者さんになってきたやろ」
腕時計を見て島崎は立ち上がり、就職の件はよく考えて見てくれと言い残し、ひとりさっさと、事務所に戻って行った。食べ物の匂いの染みついた従業員食堂には、自動販売機が三台備え付けられ、各テーブルの上に丸いプラスチック製の箸立て画、ぎっしりと薄茶色の箸を詰め込まれたまま置かれていた。(食器は必ずきれいに洗って所定の場所に戻して下さい)と書かれた大きな紙が貼ってある。哲之は頬杖をついて、ぼんやりその貼り紙に目をやっていた。仕事熱心には違いないのだが、つんとした表情の中に、絶えずさぐるような目の光を放っている磯貝を、哲之はあまり好きではなかった。世の中、そんな不思議なこともあるのだなと、哲之は島崎人事課長から聞いた話を思い出しながら思った。その上、磯貝自身も、手術をしなければならないほどの宿痾(あ)を心臓に持っている。しかし、自分には関係のないことだ。哲之はそう考えて、誰もいない従業員食堂を出ると、ロビーに行った。外人客の荷物は玄関横のロビーの隅に置かれてあった。数は五十個くらいでページ?ボーイたちが大半をすでにそれぞれの持ち主の部屋に運んだらしかった。E?H?トーマスと書かれたカードのついたトランクが五つあった。彼はそれを荷台に積むと、フロントに行き、
「E?H?トーマス様のお部屋は何号室ですか」
と訊いた。中岡主任は、哲之を一瞥もしないまま宿泊者カードをめくり、
「十二階の二五八八や」
と言った。哲之が荷台を落としてエレベーターのところに歩み出したとき、中岡は背を向けてカードをチェックしながら「井領くん」と呼んだ。中岡は背を向けた格好で、
「はい、判りました。と言わなあかんやないか」
どこか刺のある口調でそう言った。
「ああ、すみません。うっかりしてました」
中岡はやっと哲之の方を向いて、いかにも邪魔臭いそうな仕草で傍に来るような手招きした。
「何ですか?」
「一時間も、どこでさぼっとったんや。仮寝室か?それとも従業員食堂か?」
「さぼってたんと違います。島崎課長に話があると言われて、ふたりで従業員食堂に行ってました」
「どんな話やねん」
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