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双语阅读:【青春小说连载】春の夢(83)

时间:2011-12-28 14:56:18  来源:可可日语  作者:dodofly

 「俺を馬鹿にしてるのか。他に好きな男がおるのに、まだ俺とホテルにいけるのか。結論が出たというのか。その男よりも、俺の方を選ぶというのか。そうやないやろ?陽子はまだ迷てるやろ。迷てるどころか、もうほとんど気持はきまったんや。俺よりも、その建築家に決めたんや。そやのに、俺とホテルに行くのか?いったい陽子て、どんな女やねん」
 「服を乾かしに行くだけよ」
 陽子は、幼な子がおとなに叱責されたときによく見せる、幾分上目遣いの、いまにも泣き出しそうな顔をじっと哲之に向けていた。それは、陽子が哲之と喧嘩したときにしばしば浴びせてくる彼女の表情の中でもとりわけ愛らしいもののひとつだった。
 「何にもさせてあげへんから……。服を乾かすだけよ。触りに来たら噛み付いてやるもん……」
 駅の熱気が濡れた服やダンスを重くさせて来た。哲之は自分が、熟れすぎた果実(かじつ)みたいに溶けていく気がしたが、同時に体の芯に悪寒を感じた。
 「その人には、もう何遍触らせたんや」
 「あの人とは、あれから一回逢うたきりで、もう二週間以上逢うてないわ」
 「なんで……?」
 「正式に向こうのお父さんとお母さんが、御挨拶に来たの。私を欲しいって、彼、来年になったらすぐにアメリカに行くの。向こうで五年ほど勉強したいらしいの。私を連れて行きたいから、御両親は急いであるみたい。彼、私がいつまでも迷てるから、きっと御両親に相談したんやと思うわ」
 「その人、陽子と俺とのことを知ってるのか?」
 陽子は頷いてから言った。
「哲之に逢って話がしたいって言うてたわ」
「よし、逢おう。俺も、その人がどんな男か、興味があるなァ。すぐに電話せえよ」
「いま?」
「うん、いまや。いまやったらまだ事務所におるかも知れへんやろ。事務所はどこ?」
「桜橋……」
「なんや、すぐそこやないか」

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