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双语阅读:【青春小说连载】春の夢(132)

时间:2012-02-14 15:33:02  来源:可可日语  作者:dodofly

提要哲之走过有摇滚乐的黑暗通道。那种怒气也隐约携带来了悲伤。脱掉穿了5天的工作服,穿上自己的裤子和毛衣,对百合子这个只有“女人部分”的女人,抱有了一种怜悯之心。

十(3)

理由不明の怒りが、目前の鶴田をも、作戦の成功に得得としているであろう三宅をも、このホテルから消し去ってやろうという悪意に変わって、哲之はそれだけ言うとあとも見ずロッカールームの薄暗い通路歩いて行った。怒りは、やがて手うっすらと哀しみを帯びてきた。五日振りにボーイ服を脱ぎ、自分のズボンとセーターを身につけたとき、百合子という、一種病的としか思えない”女の部分“を持つ娘に、ある憐愍の情を抱いている自分に気づいたが、哲之は陽子の待つ大阪駅の改札口に妙に晴れ晴れとした心で向かった。
「もう本当に時間どおりに来たことないねんから」
陽子は珍しくいつまでもふくれて機嫌を直さなかった。環状線の車内で、陽子はハンドバッグから現金書留の封筒を出し、
「哲之の分も入ってるけど、もうあげへん」
と言った。
「それ何?俺の分て何のこと?」
「知らん」
「十分ほど遅れただけやないか。そんなに怒るなよ」
「自分が十分ほど待たされたら、一時間くらいむすうっとしてるくせに」
哲之は陽子の機嫌をとるために、吊り皮を握っている腕の肘の部分で、彼女の乳房をコートの上から押し、
「きょうは泊まれるんやろ?」
といかにも嬉しそうな表情を作って覗き込んだ。
「公衆の面前で、いやらしいことせんといて下さい」
けれども、陽子の言葉の最後には笑いが混じっていた。彼女はもう一度ハンドバッグから現金書留の封筒を出し、哲之に手渡した。差し出し人は沢村千代乃だった。
「お年玉をくれはったのよ。私と哲之に。けさ届いたからすぐにお礼の電話をかけたんやけど、何遍かけても話し中やったの。住道に着いたら。またかけ直すわ」
ふたつのお年玉袋には、それぞれ二万円ずつ入っていて、毛筆でしたためられた手紙がそえられていた。
(この頃、人と逢うのが面倒になり、お客様がこられても居留守を使ったりしております。若いおふたりはお元気でしょうか。人嫌いになったくせに、何か人にしてあげたくて、せっせと自分の大切な物を送ったりしています。どうかご遠慮なくお受け取りください。おふたりには何がいいかしらと考えましたが、適当な物が思いつきませんでした。おふたりで、おいしい物でも召し上がれ)
「凄い。ふたり合わせて四万円か。なァ、あした大阪に出てきたら、ホテルのグリルで松阪牛のステーキを食べよう。上等のワインも注文して……」
「あかん」
陽子は素早く哲之の手から現金書留の封筒を奪い取り、
「このお金は預金するの」
と言った。
「ちょっとでも早ように、哲之のお父さんが残した借金を払い終えてしまわんとあかんでしょう?」
それをいわれると、哲之にはひとこともなかった。彼は口尖らせて車窓からの風景を見ていたが、そのうちあることを思いついて、それを陽子に言ってみた。

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