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双语阅读:【青春小说连载】春の夢(152)

时间:2012-03-14 14:49:38  来源:可可日语  作者:dodofly

小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。

十一(3)

「恐いことがいっぱいあるけど、それはたとえば、太平洋を泳いでアメリカへ行くような途方もないこととは違うと、ぼくは思うんです」
香織は顔をあげ、怪訝な表情で哲之を見た。
「そやけど、ええい、くそっ、行ってしまえって思って踏み出したら、なんやたったのひとまたぎやったやないか。ぼく、肚さえ決まったら、世の中のことて、全部そんなもんやって気がしてきたんです」
香織は何も応じ返してこなかった。しばらく間をおいてから、
「きょうは兄に付き添って下さってありがとうございました」
と言った。そして立ち上がって丁寧に頭を下げた。哲之は帰らざるを得なくなった。

阪急の梅田駅に着いて、哲之はどうやって時間をつぶそうかと考えながらエスカレーターで地下街に降り、目前のガラス張りの喫茶店をちらっと見やった。中沢雅見がガラスの壁に凭れ、ひとりで珈琲を飲んでいた。哲之は行き過ぎようとしたが、ただぶらぶら歩き廻る方が億劫な気がして、喫茶店に入って行った。中沢の肩を軽く叩き、
「ひとりか?」
と声をかけた。誰かと待ち合わせでもしているのなら退散するつもりだった。
「おう、久し振りやなァ」
「ほんまやなァ。去年の夏に、借金を断れて以来や」
中沢雅見は目だけ働かして哲之を見上げていたが、なげやりな口調で、
「まあ坐れや。珈琲代は自分で払えよ」
と言って、微笑いを作った。
「お前には、いろいろ世話になったなァ。ただ飯をなんぼ食わしてもろたか判らんし、何日も部屋に泊めてもろた。返せるときが来たら、何かの形で返したいと思てるんや」
「えらい殊勝なこと言うやないか。俺には訣別(けつべつ)宣言に聞こえるで」

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