2010年12月日语能力考试一级阅读理解真题
問題9 次の(1)から(3)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1、2、3、4から一つ選びなさい。
(1)
「あの人は、私が話し始めて一分とたたないうちに、話題を自分の話にすりかえてしまう」と言われる人のなかには、決して聞き上手ではないけれど、不思議と嫌われない人がいる。
話を奪われた人も、「私の話よりずっとおもしろそう。私の(注1)話が宙に消えてもしょうがないか」という寛容な気持ちになるのだろう。
もちろん、私は「だから、話上手になればいいんですよ」とは言わない。ただ、「聞き上手でないことが帳消しになるほど話上手な人のしゃべりは、ちょっと研究してみる価値がありますよ」とご提案したい。
聞き上手になるための(注2)“修業”をしていると、そのうち話の上手な人の特徴がわかってくると思う。
聞き上手から、話上手でもあるというプラスアルファの魅力を持つ人間へと(注3)ステップアップするには、いつの間にか相手を自分の話に引きこむのが上手な人の話ぶりを、「それはなぜなのか」と自分なりに分析すると、とても勉強になるのだ。
一人で分析するのが難しければ、だれかに「あの人は話が上手だよね。どんな話しぶりに惹(ひ)かれる?」と疑問をぶつけてみるのもいい。
その勉強の成果は必ずや、自分の言動に投影されるはずだ。だれだって、他人のいいところは真似(まね)したいと思うから。
(注1)話が宙に消える:話が途中でどこかへ行ってしまう
(注2)修業:学んで身につけること
(注3)ステップアップする:進歩する
50. 寛容な気持ちになるとあるが、なぜそうなるのか。
1. 相手の話が自分の話よりおもしろくて引きこまれてしまうから
2. 話を奪ってしまった人の態度が堂々としていて魅力的だから
3. 自分の代わりに話上手な人が話をしてくれれば助かるから
4. 相手は確かに話上手だけれど、聞き上手とは言えないから
51. 話上手になるにはどうすればいいと筆者は述べているか。
1. 話上手な人になぜ上手なのかと尋ねて分析する。
2. どんな話題でも自分の話にかえられるようにする。
3. 人の真似(まね)をしないで、聞き上手になるための研究をする。
4. 話上手な人をよく観察して、その特徴を自分のものにする。
52. 筆者の考えと合っているのはどれか。
1. 聞き上手になるだけでなく、話上手な人にも学んでみるとよい。
2. 聞き上手は損をすることがあるので、話上手になったほうがよい。
3. 他人に嫌われないように、話上手より聞き上手になったほうがよい。
4. 聞き上手から話上手になるには、自分の話し方を分析してみるとよい。
(2)
ツバメは季節の変化にあわせて、くらす場所をかえる渡り鳥です。日本が冬の時期は、暖かくてえさの豊富なオーストラリアや東南アジアでくらしています。たまごを産んでひなを育てる繁殖期が近づくと、春になってえさとなる昆虫が一気にふえる日本へ向けて、いのちがけで海を渡ってきます。
ツバメの渡りは地球の南半球から北半球へと、何千キロメートルにもなります。ツバメがいつ渡ってきたかで、ツバメがくらしていた地域や、渡りのルートの気象の変化や環境の変化を(注)おしはかることができます。そして、その変化を長期間にわたって観察をつづけることで、地球全体の気象の変化を予測する手がかりにもなるので、気象庁では、その年にはじめてツバメを見た日「ツバメの初見日」を、各地の観察者や研究者からの報告をもとに、記録をとっているのです。
ツバメが渡りの行動をおこすのは、日照時間にかかわりがあるといわれています。(中略)
日照時間は年ごとの変化が比較的少ないので、日時がそれほどずれることがありませんでした。ところが長年蓄積された記録を調べてみると、近年、各地のツバメの初見日が早まってきていることがわかってきました。
その原因は……。
まだはっきりとつきとめられてはいませんが、地球温暖化によっておこる気象の変化で、オーストラリアや東南アジア地方の晴、雨天のバランスがくずれ、日照時間にまでくるいがでてきているのかもしれません。
(注)おしはかる:推測する
53. ツバメが日本へ渡ってくるのはなぜか。
1. 南半球でひなが育ち、えさとなる昆虫が不足するから
2. 日本が春になる頃、ひなが海を渡れるようになるから
3. 日本が暖かくなるとえさがふえ、子育てがしやすいから
4. 日本は冬になっても、他の地域より暖かくえさが豊富だから
54.「ツバメの初見日」を記録しているのは何のためか。
1. ツバメの渡りのルートを解明するため
2. 日照時間の短縮の原因を究明するため
3. 世界の気象や環境の変化を研究するため
4. 観察者や研究者に気象情報を提供するため
55. 最近の「ツバメの初見日」と日照時間の関係について正しいものはどれか。
1. 南半球などで日照時間に変化がおきてツバメの渡りが早まっているのだろう。
2. 温暖化で日本の日照時間が長くなり、ツバメの渡りが遅れてきているようだ。
3. ツバメは毎年日照時間と関係なく渡りを始めるようになったのかもしれない。
4. 日本の日照時間にくるいがでたために、ツバメが早く渡ってくるようになった。
(3)
消して費やしてしまう、使って無くしてしまう――どうも消費という言葉のイメージは前向きではないですね。消費者という言葉も、そう。生産者と対比して、消極的イメージがつきまとう。消費者という言葉は、経済用語のなかでもっとも不適切な一つだと私は思います。行為の中身からひどくズレています。
消費と呼ばれている行為は、その中身から言えば、生きていくのに必要なものを使うことですね。私たちは衣食住その他に、さまざまなものを使います。しかし、そのことを「消費」と呼ぶのは正しいか。正しいくないと、言うべきです。なぜなら、人は食べ物を食べることによって、自分の身体を生産しているのです。なるほど、食べ物の形は消えてしまいます。しかし、それは私たちの生命としてよみがえっているのです。衣服を身につけることはどうか。それは体温を維持させることによって命をつくり出すだけでなく、他人にあたえる私たちの印象を生産しています。このように、消費と呼ばれている行為は、私たちの命と生活を、そして次の世代の人間を生産する行為です。それなのにそれを消費者と呼ぶのは、物の生産者の側から見た言い方にすぎません。
56. 行為の中身からひどくズレていますとあるが、筆者は行為の中身をどのように説明しているか。
1. 生産者の立場に立って経済を支えること
2. ものを使うことで、何かをつくり出すこと
3. 生産的な活動に従事して一日を終えること
4. ものを使って、その形を消してしまうこと
57. 筆者は衣服にどのよう役割があると述べているか。
1. 体温を一定にに保つだけでなく、着る人に満足感をあたえる。
2. 次々に新たな流行を生み出し、人々の消費行動を促進する。
3. 着るの人柄や個性を引き出すことで、生活をより充実させる。
4. 生命を守るだけでなく、他者に対する自分のイメージを創造する。
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