世界遺産の登録を決めるユネスコの世界遺産委員会がカナダのケベックで開かれています。日本からは岩手県の平泉の文化遺産が候補として推薦されていて、国内１５番目の世界遺産となるかどうかが注目されます。

　世界遺産委員会は、ここカナダ・ケベックシティのコンベンションセンターで始まりました。会場には世界各国から関係者などが集まり、新規登録だけでなく、世界遺産をいかに保護していくかなどについて、さまざまな議論が行われます。

　２日に開幕した世界遺産委員会は、８００人以上の人たちが集まって盛大にセレモニーが行われました。会場には、日本が推薦する「平泉の文化遺産」の関係者も顔を見せています。

　「最後の最後まで全力を尽くして（関係者）一体となってですね、登録に向け最大の努力をしたいと思っています」（ユネスコ日本政府代表部・近藤誠一大使）

　中尊寺の金色堂を始めとする「平泉の文化遺産」は、今年５月にユネスコの諮問機関イコモスから、「普遍的価値の証明が足りない」として、登録延期の勧告受けました。

　このため、文化庁は「平和思想」をキーワードに反論書をつくり、巻き返しに全力をあげていますが、世界遺産の登録は抑制される傾向にあり、平泉の登録は厳しい情勢です。

　今回の世界遺産委員会で、新規登録については４３件が審議されることになっていて、早ければ現地時間の６日にも登録されるか否かが決まる予定です。