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双语阅读:【青春小说连载】春の夢(39)

时间:2011-11-28 15:38:59  来源:可可日语  作者:dodofly

 小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。

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三(4)

「ジャズて、デカダンやなァ……」
哲之が呟くと、中沢は曲が終わるのを待って立ち上がり、アンプのスウィッチを切ってから、
「人間がデカダンやからなァ。俺はデカダンでない音楽は信じへんのや」
と言った。哲之は電話を使わせてくれと中沢に頼んだ。
「定期便か……」
中沢は無表情に言って、空になったコップに酒を次ぐために台所の方に行った。
陽子は、電話をかけてくるのが遅いと言って哲之をなじった。しかしすぐにいつかものゆったりした口調に戻り、あしたの英語学の講義は私が変わりに出席しておく。哲学概論の講義は山下さんに代返(だいへん)をしてもらうよう頼んでおいたと説明した。英語学の出欠(しゅっけつ)は、教授が講義の最後にひとりずつ出席カードを配って行く。陽子はそこに哲之の名と学生番号を記入するのである。
「山下さんには二百円払うのよ。もう一年留学されることを考えたら安いもんやけど……」
と陽子は言った。笑っている様子が電話口から伝わってきた。
「来週から授業に出るよ」
陽子はしばらく黙っていたが、やがて心配そうに、
「つかまったらどうするの?」
と言った。取立屋が大学の校門で待ち伏せていないか心配しているのだった。
「あいつらに見つかったら、もうしようがないやろ。肚を決めるよ」
「肚を決めるて……」
哲之はきょうホテルで働きながら、逃げ隠れ出来ても、どうせ二、三カ月のことだろうと考え、いっそ早いこと決着をつけようと決めたのである。三十二万程度の金で、人殺しをするほど、奴等も馬鹿ではないだろう。半死半生のめに逢わされても、びくびくと逃げ廻っているよりはましだ。そう肚を決めたのだった。陽子は、ホテルのアルバイトで、哲之と逢えなくなったのが悲しいと言った。哲之は傍らにいる中沢のてまえ、甘い言葉を陽子に囁いてやれなかった。それで黙っていた。
「次の日曜に、休みをとるから……」
今度は陽子が黙り込んだ。自分の方から哲之のアパートに行くという言葉が出せないでいる、そんな気配を感じて、
「持って来て欲しいもんがあるから、遠いけど、また足を運んでくれよ」
と哲之は言った。陽子は、持って来て欲しいものがいったい何であるのかすぐに理解した。
「うん。とおいけどね」
哲之が電話を切ると、中沢はまたレコードをかけた。静かな曲であった。
「けなげな世話女房やな」
中沢はぽつんと言って、ベッドにもぐりこんだ。本棚の下に長いソファが置いてあって、そこがいつも哲之の寝る場所だった。毛布と蒲団がソファの上にいつも詰まれている。哲之は中沢のパジャマを借り、それに着換えると、自分でソファの上に寝床を作り、横たわった。横たわったまま、またコップの中の酒を飲んだ。
それから三日間、哲之はホテルでのアルバイトが終わると本町のビル街にある中沢の部屋に泊まった。四日目の土曜日、彼は仕事を終えてボーイ服を脱ぐと、急いで自分の服を着た。そして小走りで環状線のホームに向かった。うまく行けば、最終の長尾行きではなく、その前の、十時四十六分の住道行きに乗れるかも知れないと思った。哲之はもう何日も風呂に入っていなかった。アパートには風呂はなく、駅の方に少し戻ったところにある銭湯に行って髪の毛や、脂の浮いた体を洗い、下着も取り換えたかった。アパートに帰ってからでは遅くなってしまうので、彼は昼の間に下着を買い、ホテルの客用のタオルと石鹸を、客室係の若い娘に頼んで貰っておいたのである。京橋駅に降りてホームの時計を見ると十時四十五分だった。哲之は全速力で階段を駆け降りた。住道行きの電車はすでにホームに入っていた。車内に駆け込むと同時にドアが閉まった。

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