双语阅读:【青春小说连载】春の夢(126)
提要:在百合子的脸上露出了让人琢磨不定的微笑。哲之感觉到她知道男人那些事。这更让哲之吃惊,倒有了一种奇妙的放心感,在脑子里考虑起来,怎样才能最快地占有中江百合子这位土里土气有奇妙诱惑感的女人的身体呢?他站起身,付了钱走出地下街。
九(13)
「それだけやないやろ?あの人、自分の高校の後輩に惚れてるな。しかもその美人の後輩は、ちゃんとそのことを知ってる。俺、ますますファイトが湧いて来た」
どうしてそんな心にもない甘言が、すっと口をついて出たのか、哲之は不思議だった。自分で自分を抜き差しならなくさせているのに気づいたが、あたかも天才的な女たらしのように、彼の口からはさらに追い打ちをかける言葉が滑り出た。
「これから映画を観て、何て悠長なことしてられへん」
百合子の顔に、よほど目を凝らしていないと判らない程度の微笑がたゆとうた。哲之は、おそらく百合子は男を知っているなと感じた。それは哲之をいささか驚かせたが、妙な安心感も生じて、彼はいっときこの中江百合子という土臭さと奇妙な蠱惑(こわく)性を持つ女の体を、どうやったら最も早く陥落させられるだろうと頭を巡らせた。彼は立ち上がり、金を払って地下街に出た。その瞬間、なぜか哲之は、半年ほど前に鶴田が何気なく洩らした言葉を思い出した。
「あの中岡のアホンダラ。自分が夜勤のとき、俺にも夜勤をさせよるんや。それで俺にフロントの番をさせといて、二、三時間寝に行きよる。ことわったら、しんどい仕事ばかり押し付けよるからなァ……」
哲之は、はっとして百合子に訊いた。
「物が盗まれるようになったのは一年前からやろ?」
「うん、そうらしいわ」
「そやけど、出勤薄はいつ頃までさかのぼって調べたんや?」
「さあ、そこまでは聞いてないから……」
哲之が映画館の切符売り場に金を差し出したので、百合子は意外な顔つきをしたが、そのまま、館内の席に並んで坐った。大がかりな宣伝をしていたが、映画は結局はアメリカの子供たちの他愛のない恋愛ゴッコに過ぎなかった。哲之はトイレに行く振りをして暗がりから出ると、売店の横の赤電話でホテルのダイヤルを廻し、鶴田を呼んでもらった。鶴田が出て来るなり、哲之は訊いた。
「きょう、夜勤でしょう?」
「うん、そうや」
「前に、鶴田さんは、中岡さんが夜勤のときは、俺にも夜勤をさせよるって言うたことがありましたねェ」
「うん、きょうは違うけどな」
「出勤予定を変更させて、夜勤させるぐらいやから、あとで飯をおごってくれたり、酒を飲みにつれて行ってくれたりしますか?」
「どないしたんや。何かあったんか?急に電話してきて、変なこと訊くんやなァ」
哲之は、理由はあした逢って説明するからと言い、返事を促した。
「二、三回、飲みにつれてもろたなァ」
哲之は絶対に自分からこんな電話があったということを他言しないよう念を押したのち、
「今晩、中岡さんにどんな用事を言いつけられても、地下には行ったらあきませんよ」
と言った。鶴田はその訳を知りたがって、何度も不安そうに、
「なんでや、なんでや」
と訊いた。しかし哲之の真剣な口調から何かを感じ取った様子で、
「よし判った。地下に行ったらあかんのやな。何や知らんけど、とにかくお前の言うとおりにするわ。その代わり、あした、理由を教えてくれよ」
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