双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(38)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(13)
その夜。オカンにそのことを相談すると、「自分で取り返して来なさい」と言う。どこかでオカンが取り返しに言ってくれるのではないだろうか、だって、悪いのは向こうなんだものと思っていたのに、そうはしてくれなかった。
次の日。重たい気分で相手の家に行くと、そのおじさんは表でまた、フリチン健康法について近所の主婦に力説していた。部屋に行くと、友達がカードをアルバムに入れたり出したりして遊んでいる。その隣には高校生の兄貴がハイライト喫いながら、そのハイライトの空き箱を何枚も使って「手まり」を作っていた。その手まりが部屋にいくつも飾ってある。
ボクは、やっぱりそのアルバムは自分のだと思うから返してくれと言ったが、隣の兄貴がいることで、昨日よりも更にいけしゃあしゃあ度のアップした友達は、頑なにそれを否定し、反論の文末には「ねぇ、兄ちゃん」と兄貴の顔を見上げながら嘘の同意を求めると、兄貴の方は「ああ、そうばい」と手まりを作りながら眉ひとつ働かずに答えた。
それでも、執拗(しつよう)に食い下がっていると、しまいには兄貴がハイライトの手まりを作る手を止めて「そしたら、こいつが盗んだち言うとか!?」とすごまれ完封負け。
その兄貴はいつもダウン・タウン・ブギウギ・バンドの真似をして、マジックで名前や絵を描いた白いつなぎを着ていた。ボクもダウン・タウン・ブギウギ・バンドが好きだったので、その白いつなぎ姿を見るとカッコいいなぁと思っていたのに、途端に嫌いになった。
目に涙をためて玄関を出ると、フリチン健康法のお父さんは「どげしたん!?けんかでもしたんかぁ?」とボクを呼び止めるので「あのアルバムは、オレのやと思う」と半泣きの捨て台詞を残して立ち退った。
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