双语阅读:【青春小说连载】春の夢(154)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
十一(5)
「俺に認めさせて何になるんや」
すると中沢はほくそ笑み、身を乗り出してきた。
「お前、ある日、俺にこう言うたぞ。歎異抄は人間から生命力を奪う言葉の集積や。あれを読んでると、生きてることがいやになってくる。覚えてるか?」
「ああ、覚えてるで。そのあとでこうも言うた。いずれはこのビルが自分の物になる金持のボンボンが、とても地獄は一定すみがぞかし、とは笑止千万や、て」
「ひとつの宗教に入っていくことと、その人間が金持か貧乏人かという問題とを同一線上に置く方が、笑止千万や。そうはおもわんか?」
「うん、思うな。資本主義の恩恵にひたっていながら、共産党になった御曹司もいてるやろかなァ」
中沢は二本の指を立てて微笑んだ。
「これで、あのときの御託のうち、ふたつの非をお前は認めたわけや」
「もうええよ。俺はきょうは議論する気にならん。久し振りにお前に逢うたから、喫茶店に入って来たんや」
だが中沢雅見は執拗だった。彼は勝ち誇って言葉をつづけた。
「歎異抄が、どれだけの人間に光明を与えて来たか知ってるか。生きる勇気をもたらして来たか知ってるか。しれがなんで地獄の書なんか、理論立てて教えてくれよ」
哲之は頬杖をついて、じっと中沢の目を見つめた。かすかに、中沢の胸元あたりからオーデコロンの匂いがこぼれ出た。なぜかそれが哲之に怒りをもたらした。哲之は言った。
「そしたら、俺が理論立てて言えるように、俺の質問に答えてくれ」
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