双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(67)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(42)
蝉(みせ)が鳴く昼間に、陽の差す縁側で、オトンが汗を流しながら木を削っている。
夏のチリチリした音と、カンナが木片を削ぎ落とす音が心地良かった。夜行性で真っ白な肌のオトンが身体を紅潮させながら木を削る姿を隣で体育座りをしながら見ていた。
「おじいちゃんも、こうやって、色々、作って、くれよったのぉ……」
オトンの左腕には大きなケロイドがある。小さな時に、大火傷をしていしまい、ずっとその跡が残っている。
病院から帰って来ても、「痛いよ、痛いよ」と泣き止らないオトンに、おじいちゃんは「かわいそうにの、かわいそうにのぉ」と言い、「おれがついてやっとったら、こんな目に遭わせんやったのに、悪いことしたの、ごめんのぉ」と何度も言ったそうだ。火傷をした時、おじいちゃんはその場にいなかったらしく、そのことをすごく後悔したのだという。
「なんでも食べたいもんを買うてきちゃるけん。なんが食べたいか、言うてみぃ?」
おじいちゃんが痛がるオトンにそう言うと泣きながら、こう言ったらしい。
「銀シャリとくーりの漬物が食べたい」
そして、おじいちゃんは食料のない時代に白米と胡瓜とバナナと探し歩いて、オトンに食べさせたそうだ。
食卓に胡瓜の漬物を出すたびに、小倉のばあちゃんがその時の話をボクに聞かせた。
胴体を削り終え、次にはその上に重ねる木片のかたちを整え始めた。木工用ボンドでそれを貼り合わせ、どんどん船のかたちになってくる。なんにも見てないのにすごいなぁとボクはワクワクしながら作業に見入った。
オカンの頭には大きな傷跡がある。それも小さな時に、大怪我をした跡だ。
夜、土間に脳天から落ちて血が吐き出した。オカンのおじいちゃんは頭に手拭いを当て、血だらけのオカンを抱きかかえて病院に駆け出したそうだ。寝静まった病院の入り口を叫びながら叩いて医者を起こし、麻酔もかけられず、そのまま二十数針を縫合したらしい。
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