双语阅读:【青春小说连载】春の夢(155)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
十一(6)
中沢は頷き、腕を組んだ。
「往生て何や」
「往き、生まれることや」
「どこへ往くんや」
「浄土のことやないか」
「それはどこにあるねん」
「死んだら判るやろ」
「死なんて判らんとこか。と言うことは、往生は願うのは、死を願うことか。死を願うことで得られる光明とか生きる勇気とは、いったい何や。身を捨ててこそ浮かぶ瀬(せ)もあれっちゅう言葉とは意味が違うぞ。極楽はどこにあるんや。みせてくれよ」
「ないかもしれんな。しかし、架空の浄土を民衆に夢見させると言う手段を使うて、現実の苦しみを乗り越えさせた。浄土は自分の中にあるけど、あの時代の民衆にそれを教えて何になる。そう展開していくという深さが歎異抄の本意や」
「しかし、歎異抄では、この世での執着は捨てようにも捨てようがないから、それそれでええ、とうとうこの世の縁がつきて、仕方なく死ぬ。それでええんといいながらもただ往生を願えと繰り返してるやないか。それは、結局早く死ね、早く死ねと言うてるのとおんなじやないか。そういわれても、人間は死ねへんよ。やっぱり往きたい。親鸞自身がそうやった筈や。そうすると、念仏思想は、生きながら死んでる人間を作っていく。歎異抄の与える光明も歓びも、病人の苦痛をやわらげるモルヒネや。痛みが消えたら病気が直ったように錯覚する。ところがそのモルヒネは猛毒で、病人の死期を早めるんや。そやから俺は歎異抄を、地獄の書やと言うたんや。虚無は、ときに甘露な酒や。しかし念仏思想のたるの中で作られた虚無の酒は、それをたっぷり飲んだ人間に、あるときふっと首を吊らしたり、ビルの屋上から飛び降りさしたり、電車に飛び込んだりさせるんや。精神の底に染まった諦観を突然誘い出す酒やからな」
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