双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(68)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(43)
耐え切れない痛みにオカンは悲鳴をあげたが、その間中、ずっとおじいちゃんはオカンを膝に乗せたまま抱きしめて、「頑張れ!頑張れ!」と励ましていたそうだ。
「女の子やのに、傷を作ってしもうて、栄子がかわいそうでならん」とその後もすっとおじいちゃんは涙ぐんでいたらしい。
ボクがオカンの傷跡を指で触って、「ハゲ、ハゲ」と言うと、いつもオカンはあの時、おじいちゃんがどれだけ頼もしく優しかったかを思い出すようにボクに話した。
オトンとオカン、ふたりとも自分のお父さんが好きだったのだ。
木場を小さく削って砲台を作り、マッチ棒の軸を大砲に見立てて差し込んだ。外周に小さな釘を一センチ間隔で打ち、そこに天蚕糸を一本ずつ渡して棚を作った。
戦艦だった。ボクの好きな船をこういうのじゃなくて、小型で三人乗りくらいの船だったんだけど、とても上手に出来上がってボクは驚いた。
「白がいいとやろ」
固まったペンキのカン蓋(ふた)をノミでこじ開けて刷毛を直接、中に押し込む。木色の船が、どんどん白に塗られていった。
もう、少し夕暮れが始まっていて、白に塗られた部分が薄いオレンジ色に見える。暮れかけた蝉の声と涼しい風。
あとちょっとで完成するという時だった。
「もういいか。こんな感じやろ」
そう言ってオトンは完成三分前の状態で刷毛を置き、「さてと」といいながら部屋に戻って出掛ける用意を始めた。
いや、やろうよ最後まで。もう少しで完成するのに。飽きたのかな?突然?約束の時間になったのだろうか?いや、それにしても、あと五分も掛からないところまできてるのに、なんで?なんで?なんなんだこの人の腰砕けな中途半端さは?
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