双语阅读:【青春小说连载】春の夢(156)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
十一(7)
「お前は歎異抄のうわべしか読まれへん。まあ、無理もないけどな。親鸞の心の葛藤がどれほど深く烈しいもんやったかさえ、判らんのやから。歎異抄を読んで、それすら理解出来ん感性と議論したって無駄やな」
そう蔑(さげす)みの笑みを向け、煙草をくわえた中沢は、ふいにそれまでの作り笑いを消して、哲之を睨んだ。
「お前みたいなやつが、この地下街で何万人もうろうろしとるで」
「お前みたいなやつて、どういうやつや」
「無宗教主義の観念論者や」
哲之の顔から自然な微笑が湧いた。彼は中沢に訊いた。
「お前は、毎日、南無阿弥陀仏と歌えてるのか?」
「歌えはせんけど、心の中にはちゃんと存在してるな」
「宗教いうのは実践(じつせん)やろ?心の中にあって歌えへんお前の方が、よっほど観念論者やないか」
中沢の顔が紅潮した。哲之は珈琲代をテーブルに置きながら言った。
「俺は無神論者でも無宗教主義者でもないよ。ただ俺は、仏とか神とかをたとえ方便にせよ自分の外にあるとする宗教を信じられへんだけや。それはきっと絶対に自分の中にあると言い切る宗教になら耳を傾けようと考えてるからな。一匹の蜥蜴が、俺にそのことを教えてくれたんや」
「蜥蜴……?」
哲之は立ち上がり、中沢を見おろした。
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