双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(69)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(44)
なぜ、船を完成させてくれなかったのかはわからないが、この時がすべての思い出の中で一番、オトンが父親らしい瞬間だったことは間違いない。
誰が見てもボクらが親子に見た時間だった。そしてボクがオトンと一緒にいて一番楽しかった時間で、一番うれしかった時間だった。
あと三分を待たずして未完成になったこの戦艦は、今でもボクの手元にある。物をすぐに失くしてしまうボクだけど、この船だけはどの引越しの時でも常にわかる箱の中にいれておいて、どこに住んでいた時にも、すぐそばに置いた。
子供の一日、一年は濃密だ。点と点の隙間(すきま)には、更に無数の点がぎっちりと詰まり、密度の高い、正常な時間が正しい速さで進んでいる。それは、子供は順応性が高く、後悔を知らない生活を送っているからである。
過ぎたるは残酷なまでに切り捨て、日々訪れる輝きや変化に、節操がないほど勇気を持って進み、変わってゆく。
「なんとなく」時が過ぎることは彼らにない。
大人の一日、一年は淡白(たんぱく)である。単線の線路のように前後しながら、突き出されるように流れ進む。前進なのか、後退なのかも不明瞭なまま、スローモーションを早送りするような時間が、グリの描く時計のように働く。
順応性は低く、振り返りながら、過去を捨てきれず、輝きを見出す瞳は曇り、変化は好まず、立ち止り、変わり映(は)えがない。
ただ、「なんとなく」時が過ぎてゆく。
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