双语阅读:【青春小说连载】春の夢(158)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
十一(9)
その夜ホテルは空室が多く暇だったので、哲之は仕事中に二回も陽子と電話で話をした。一回目の電話で、陽子は父のコネで中堅の商社に就職が決まったと伝えた。二回目の電話は、初任給は幾らなのかを聞き忘れた哲之が、はしゃいで公衆電話まで走って行ったのだった。
「俺より三千円も多いやないか。四年制の女子大学は就職難やというのに……」
「そやけど、ボーナスは哲之の方が多い筈よ。基本給は私の方が少ないもん」
「気に入らんなァ。なにかにつけて、陽子の方が俺より運がええみたいな気がして来た」
「夫婦になったら、運命共同体でしょう?」
陽子は哲之の卒業試験の結果を案じていた。
「一課目だけ、ちょっと危ないのがあるけど、それは追試をしてくれるそうやから」
「もうじきね」
と陽子が声を落として言った。
「うん」
そう答えて電話を切ったあと、哲之は陽子が何をさして「もうじきね」と言ったのかを考えた。だが哲之は何もかもが「もうじき」なのだと思いうれしくなった。大学を卒業するのも、住道のアパートを引き払うのも、キンの背から釘を抜くのも、陽子と母と三人で暮らせるのも。
生駒おろしの寒風をついてアパートに帰り着くと、哲之はすぐに蒲団を敷いた。それから湯を沸かし、ホット?ウィスキーを作った。アンカが温もるのを待ちながら、熱いウィスキーを飲み始めたとき、突然、男の声がドアの向こう側から聞こえた。
「電気メーターのことで、ちょっと訊きたいんですが」
哲之はドアのところに行き、
「こんな遅うにですか?」
と訊いた。
「昼間、お留守なもんでっさかいに」
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